総合

デジタルで本人確認を TRUSTDOCK 不動産投資の電子手続きで普及

 TRUSTDOCK(東京都千代田区)は、不動産投資クラウドファンディング事業者など向けとして、eKYC/本人確認APIサービス『TRUSTDOCK』を提供している。各社の運用システムに容易に同機能を実装できる。投資家や事業者の双方に複数の手続き方法の選択肢を用意し、手間や負担を軽減。本人確認業務の〝デジタル化〟の実現を支援している。

 本人(顧客)確認を意味する「KYC」(Know Your Customer)をデジタル運用する「eKYC」サービスは、厳格な手続きを要する金融機関で先行して普及する。不動産投資クラウドファンディングの本人確認手続きでも活用され始めた。背景には、本人確認手続き自体の法的な義務の側面のほかにも、デジタル化で利便性が高まる実利の要請から活用が広がっている理由がある。

 従来のKYCの方法は、対面や郵送が主流だった。同社では最新テクノロジーを活用する「eKYC」を提供し、スマートフォンやウェブブラウザなどを用いてオンラインで非対面に、様々な場面で本人確認ができるようにした。

 不動産クラウドファンディング事業者は、自社のクラウドファンディングシステム内で同社サービスの機能をAPIで連携させた形で運用できる(イメージ図)。顧客の「写真付き本人確認書類画像」と「本人の容貌画像」の組み合わせで本人から送信してもらう、または、マイナンバーカードのICチップを読み込む、携帯電話や銀行口座の契約者情報などからも本人確認ができる。当事者の事情に合わせられるように、転送不要郵便による従来からのアナログな手法にも対応している。発展的な活用としては、データベースで照合し、利用審査の判断材料となる「反社(反社会的勢力)チェック」もできる。

 同社代表取締役CEOの千葉孝浩氏は、「本人確認業務を当社が代行するイメージ。導入企業は、特別な人員配置や郵送などの手間やコストを削減できる。業務の迅速化と効率化ができるメリットに加え、エンドユーザーの利便性が向上する。顧客満足を高める効果は大きい」と話す。

 21年12月には、不動産クラウドファンディング事業者向けの「eKYC」の活用案内となる「ハンドブック」を同社HPで無料公開した。