不動産流通プロフェッショナル協会(FRP)は6月25日、第3回PPP(プロフェッショナル・プレイヤー・フィロソフィー)講座を開く。
流通業界が国民から信頼され尊敬されるためにはコンプライアンス、職業倫理、クライアントファーストの理念を実践していくことが唯一の道と考え、様々な角度からの講義を通じてプレイヤーたちの間にそうした想いが浸透していくことをめざしている。
ポイントは「自分がお客の立場だったら、してほしくないことはしない」という簡単なルールがどうして守れないのか、会社の利益と顧客の利益保護は両立し得るかなど、コンプライアンスを突き詰めていくと哲学の領域になるということを受講者に分かってもらうこと。そして講師と受講者が解決策を一緒に考え、共に進化していこうというスタンスを取っていることである(参加申し込みは同協会HPで受け付け中)。
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講義は基調講演と2人の講師による実学から成る。基調講演は(株)セゾンリアルティ代表取締役会長CEOの竹井英久氏でテーマは「コンプライアンスと倫理の関係~米国事情と日本経済の俯瞰から~」。
実学(1)は「不動産流通事情から見たトラブル事例とその考察」で講師は東急リバブル(株)顧問で宅建マイスター・フェローの橋本明浩氏。実学(2)は「中小業者のゴーイングコンサーンとクライアントファースト」で講師は(株)NextBRANDING代表取締役の佐藤雄樹氏。講義後は質疑応答で議論を深める。
FRP代表理事の真鍋茂彦氏は言う。「流通業界の仕事が国民から信頼されるためには、プレイヤーとしてのコンプライアンス意識、人間としての品格が備わっていなければならない。PPP講座はそのための〝精神道場〟でもある」。
こうした精神的なことを唱えても普通は共感を得ないのがこの業界の常識だ。しかし、主催しているFRPは今年でまだ3年だが既に30名以上の会員を擁している。
今年5月30日には総会報告を兼ねての懇親会「新緑の会」が開かれたが、会員のほか、推薦人、顧問・参与など約40名が参加した(写真)。徐々に業界での存在感が強まりつつある。会の求心力になっているのはやはり代表真鍋茂彦氏の人柄である。
真鍋氏は旧藤和不動産出身。2000年に不動産流通近代化センター(現不動産流通推進センター)に転籍し、不動産コンサルティングマスター専門士制度、宅建マイスター、不動産流通実務検定「スコア」などを開発。同センター常任参与・教育事業部長を経て23年8月に退任した。
この間に得た多くの人脈がFRPの創設、成長の源泉となっている。団体運営に〝大儀〟が必要なことはもちろんだが、それ以上にトップに立つ人間の品格と熱意が重要であることがわかる。
人としての研鑽
不動産業界では今、半世紀以上の歴史を誇るような名だたる団体とは別に、個々の事業目的や理念・志を一つにする組織など様々な団体が活動を始めている。
しかし、それでも一般国民から見た不動産業界のイメージはいまだに「だまされないか、本当に親身になって動いてくれるのか」といった疑念が払しょくできていない。その根本的原因はどこにあるのか。そうした問いを自らに発することさえあまりしていないこと自体が問題かもしれない。
個々の企業による努力がどれほどなされても業界全体が進化し生まれ変わらなければ国民の厚い信頼を得ることはできない。FRPは個々のプレイヤーの意識を変え、コンプライアンス意識を浸透させることが唯一の道としているが、それだけでは足りない。
デジタル化がどれほど進んでも不動産業には「ひと」にしかできない仕事があるというのなら、プレイヤーが「ひと」としての研鑽を積むモチベーションアップにつながるような公的資格制度こそ必要ではないだろうか。