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大言小語 五輪開幕

 ロシアのウクライナ侵攻に続いて中東へも紛争が飛び火し、加えて暗殺未遂、自殺など物騒な事件や事故が世の中に蔓延している。表の社会と裏の社会のせめぎ合いがまるでパンドラの箱を開けてしまったかのようだ。

 ▼そんな流れの中で、今週26日から8月11日までパリでオリンピックが開催される。フランスの首都パリでの開催は実に1924年以来100年ぶり、3回目という。この間にパリは92年(開催都市バルセロナ)、08年(同北京)、12年(同ロンドン)の大会にも立候補したが招致はかなわなかった。開催都市の選考基準が厳しくなっているうえに、経済成長が続く後進各国がライバルとして台頭し、招致をめぐる都市間競争が厳しさを増ていることが背景にある。東京もパリもラストチャンスにぎりぎり間に合ったともいえそうだ。

 ▼五輪が閉幕してすぐに日本は79回目の終戦の日を迎える。戦争が絶えない世界で79年間、不戦を守ってこれたことは、偶然か必然かは別として安心の一言に尽きるが、平和の祭典も今起きている紛争やテロを阻止できない。それでも今日よりも明日が、今年よりも来年がより平和な暮らしができる世の中へ近づいていってくれていると期待を持たせてくれるだけでも存在価値はある。続く28年大会はロサンゼルス、32年大会は初開催のブリスベンが予定されており、平和の祭典であるから途切れることなく続くことを願いたい。