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大言小語 失墜する第四権力

 人事異動の季節。特に注目されるのがトップ人事だ。住宅・不動産業界で主だったところは、既に東京建物、長谷工コーポーション、旭化成ホームズ、大和ハウス工業がトップ交代を発表したが、これからまだ続きそうだ。トップ人事のニュースは、ホームページにアップすると毎週上位に顔を出すホットな話題だ。

 ▼報道各社は一斉にトップ人事を報じる。過去には、会社が発表する前に我先にとフライングする報道機関も珍しくない。もう二十年以上も前の話になるが、フライングで報じられた携帯電話会社の社長交代記事が誤報だったことが思い起こされる。その記事を見て取引先企業がお祝いの花束を贈ったが無駄となった。トップ交代により周辺関係各社が一斉に動き出すだけに当時30代前半だった筆者はその話を聞き背筋に冷たいものが走ったことが思い出される。誤報ではないが、不動産業界では大手社長交代を会社が発表する前に報じてその記者が飛ばされた、なんていう逸話も残されている。

 ▼そもそも報道機関の役割とは何か。一連のフジテレビ問題で報道人としての姿勢が問われたことは記憶に新しい。新聞、通信社、テレビなどのマスメディアは、雑誌ジャーナリズムの後追いに甘んじる状態だ。政治家の裏金問題は政党の機関紙が端緒だった。一般庶民はマスコミも政治と癒着していると見る向きは皆無ではないし、忖度や太鼓持ち記事では読者から蔑まされる。