【決 算】
(8月25日)
国内好調も海外で下振れ
・インヴィンシブル投資法人の25年6月期決算は減収減益だった。営業収益は251億700万円(前期比0.17%減)となり、当期純利益が143億6600万円(同5.09%減)だった。
同投資法人は、ホテルと住宅を中心に運用する。運用資産規模は、期末時点で取得価格ベース6873億5000万円となった。インバウンド客の増加などにより、国内ホテルは好調に推移しているが、海外ホテルの改修工事によって売り上げが減る影響を受けて分配金は、一口当たり1895円(同4.4%減)だった。前年同期との比較でも1.1%減だった。ただ海外は今後3軒のホテル開業が予定され、改修工事も秋ごろに完了し、繁忙期に先立ち全面的に営業を開始する予定。
国内で運用する91のホテルのRevPAR(販売可能な客室数当たり宿泊部門売上)を見ると、前年同期比15.2%増となった。インバウンド需要が引き続き好調であることと、今年4月から開催されている大阪・関西万博が閉幕する10月まで関西エリアの業績が大きく伸張すると見込んでいる。
次期25年12月期予想は2月発表から上方修正した。営業収益は281億4500万円(修正幅3.8%増)、営業利益が190億5100万円(同3.6%増)、当期純利益が162億3700万円(同3.4%増)とする。分配金は、一口当たり2127円(前期比12.2%増)で前年同期比でも7.3%の増配を計画する。今後10物件のホテルを取得する予定であることから運用状況と分配金の予想を修正した。
資産の入れ替え奏功
・ジャパンホテルリート投資法人の25年12月期の中間業績(1~6月)は、大幅な増収増益となった。営業収益は214億8100万円(前年同期比49.6%増)となり、当期純利益が127億6400万円(同71.7%増)だった。
期中に「博多中州ワシントンホテルプラザ」を46億1000万円で売却し、「ヒルトン福岡シーホーク」を643億5000万円で取得した。博多中州ワシントンホテルプラザの売却については、固定賃料のみの普通借家契約により賃料の上昇余地が限定的であったためで、売却益は23億円を計上した。2月に取得したヒルトン福岡ホテルシーホークのNOI利回りは同投資法人予想で5.7%となっている。上半期時点の運用資産は65物件・5153億9100万円(取得価格ベース)となっている。
主要ホテルなどに変動賃料などを導入した28のホテルのRevPAR(販売可能な客室数当たり宿泊部門売上)は前年同期比で17.0%増となった。24年12月決算時の公表数値を1割近く上回っている。下半期は、成長期待の高いホテルを選別して客室などの売り上げにつながるリノベーションを実施する予定。
分配金は、25年12月期予想として4830円と前期比で22.7%と大幅な増配を見込む。前回の決算発表時の4461円も上回る上方修正となった。通期業績予想は、営業収益が446億6900万円(前期比33.4%増)、当期純利益が260億6300万円(同42.6%増)の大幅な増収増益を見込んでいる。上半期の売買取引のほか、既存ホテルの収益アップなどで増配計画となっている。