Sansan(東京都渋谷区)は、同社が中小企業向けに提供している名刺管理サービス「Eight Team」で、中小企業の経営層や営業担当者の計733人を対象として2025年8月に実施した「中小企業における営業の人手不足」に関する調査結果をまとめた。
同調査結果によると、回答者全体の半数以上の企業は、営業の人手不足を実感している。そのうち、8割の経営層は、「売り上げの停滞・伸び悩み」を課題に挙げている。更に、それぞれ8割近くが「新規顧客の開拓」や「営業戦略」などの中長期的な成長を支える活動が後回しになっている。
「建設・不動産業界」の人手不足感は、全業界平均の52・8%に対し、47・5%と若干少ない。ただ、従業員数が多い企業ほど人手不足感を強く感じる傾向があり、従業員数が比較的に少ない「建設・不動産業界」では、その実感が現れづらいとみられる。
全産業では、人手不足の対応策として、営業人員の「採用の強化」や、ツールの活用と業務フローの見直しなどによる「生産性の向上」が上位の回答となっている。また、「建設・不動産業界」では、生産性向上よりも比較的に採用の強化に力を入れる姿勢がほかの業界に比べて強い傾向にある。
全産業で、生産性の向上の取り組みとして4社に1社はAI(人工知能)を活用しているものの、その半数近くは、「AIに対して抵抗感を持つ社員が多い」と回答している。「建設・不動産業界」での営業業務での生成AIの活用割合は、ほかの産業に比べて低く、全業界平均の22・4%に対し、16・5%にとどまっている。
ただ、一方で、名刺や人脈情報をチームで共有している企業では、回答者の7割は営業活動の効率化を実感している。同社Eight Team責任者の安齋安美氏は、「名刺や人脈情報をチームで共有する企業が営業活動の効率化を実感しているように、人手不足の解消策は、採用の強化だけではなく、限られた人材や資産のリソースを最大限に生かす仕組みづくりが重要になる」と総括している。