その背景には、2006年6月の改正道路交通法の施行を機に、バイクに対する駐車禁止の取り締まりが強化され、全国的にバイクの駐車場需要が増えていることがある。
実は、日本ではバイク自体の数は増えていない。日本自動車工業会によると、二輪車の需要台数は2009年以降、50万台を割り込んでおり、2014年度は43万5000台だった。少子高齢化に伴う人口減少の影響で、1999年の85万6000台から半分に落ち込んでいる。
それでも駐車場が不足しているのは、1000台当たりの二輪車の駐車場整備台数が13台と、自動車の6分の1にとどまっているという現状があるからだ(同工業会調べ)。つまり、バイクの保有台数は減少傾向が続いているが、駐車スペースの絶対的不足に変わりはなく、ここに、収益機会があるというわけだ。
日本自動車工業会では、10代・20代の若者の需要が減っても、ボリュームゾーンの40代~60代が今後の市場を活性化すると分析しており、実際、2016年3月にまとめた最新の市場動向からは、資金的に余裕が出てきた中高年層の大型バイクに対する利用意欲の増加傾向が見られた。
バイクガレージなら、自動車向けの駐車場と違い、ちょっとした空き地や遊休地を活用できる上に、駐車スペースが圧倒的に足りない希少性から駐車料金を高めに設定できるといった見方もできる。高級バイクを駐輪する室内式バイクガレージだと、月額賃料は都内で7万~8万円を設定できた事例もあり、コンテナタイプでも2万円近く徴収できるという。
消費者がバイクを購入する上で重視する点は、「施設・外出先など二輪専車駐車場の整備拡大が44%と最も高い」(日本自動車工業会)。「二輪専用の専用駐車場の低料金化」は26%で5位であることなどを踏まえれば、バイクガレージや二輪駐車場ビジネスの伸びしろは大きいと言えそうだ。
狭小地や変形地、旗竿地といった住宅に向かない土地でも、「バイクガレージ用の土地」としてなら、生かせる可能性は高い。「何かいい投資物件はないですか?」という不動産投資家が訪ねてきたら、「バイクガレージ用の土地」を紹介してみるのもアリといえるだろう。
ちょっとした空き地や遊休地に二輪向けの貸しスペースを整備することは、社会的要請に応えることにもなる。
(参照:健美家不動産投資ニュース)
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