過去を振り返ってみても、都心のベイエリアや神奈川県川崎市の武蔵小杉は、周辺の都市開発や新線・新駅開発によって街の様相が一変。一躍“住みたい街ランキング”に名を連ねるほどの人気エリアとなり、当然不動産価値も高騰した。
鉄道開発でいえば、つくばエクスプレスの場合は、駅ごとにショッピングセンターと宅地が造成され、これまで陸の孤島であった埼玉、千葉、茨城の沿線地域が一大ベッドタウンとなっている。なかでも、自治体が転居を促進している千葉県流山市は、子育てに手厚い街として認知され、ファミリー層を中心に人気を集めている。
ほかにも、都営大江戸線や東京メトロ副都心線の開通で利便性が向上した練馬やその上部に位置する埼玉エリア、JR東日本の東北本線・高崎線・常磐線と東海道本線の相互直通運転を可能にした上野東京ラインの開通で北関東エリアは、首都圏との距離がぐっと縮まった。
このように、エリアの利便性が良くなることで、それまでの環境が一気に変貌する。不動産投資家は、この利便性に特に注視して物件を探しているのだ。
首都圏では、今後も鉄道開発を進める動きがある。今注目されているのが、相鉄線の「都心直通プロジェクト」。ひとつは、相鉄西谷駅とJR東海道貨物線横浜羽沢駅付近に連絡線(約2.7㎞)を新設して相鉄線とJR線の相互直通運転を行うというもの。2019年下期を開業予定に据えているが、実現すれば、品川など都心へのアクセスが飛躍的に向上する。もうひとつは、JR東海道貨物線横浜羽沢駅付近と東急東横線・目黒線日吉駅に連絡線(約10㎞)を新設し、相鉄線と東急線の相互直通運転を行うというもの。こちらは2022年下期開業予定。
東横線であれば渋谷~新宿~さらには埼玉方面、目黒線であれば目黒~六本木一丁目~埼玉高速鉄道までつながることになる。これまでは都心に出るのに、横浜駅での乗り換えが必須であったが、直通になることで混雑する駅構内の移動がなくなるだけでなく、所要時間も15~16分ほど短縮される見込みだ。
また、この計画では新横浜駅付近に新駅も設置される予定とのことで、新幹線へのアクセスも容易になりそうだ。これらの計画が実現すれば、相鉄沿線エリアはさらなる活性化が期待でき、住宅需要もこれまで以上に増えるに違いない。
東京都内でいえば、新空港線が検討されている大田区、大江戸線が延伸する練馬区などに期待が高まる。不動産業界の人間として、チェックしておきたい。
(参照:健美家不動産投資ニュース)
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