彼方の空 記事一覧
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彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇86 もう一つの〝空き家問題〟 「その他」より深刻? 冷めた見方の「賃貸用」
空き家問題といえば、もっぱら「その他空き家」(利用されていない持ち家)が中心課題となっている。その増加率が98年からの20年間で約2倍と急ピッチだからだ(18年住宅・土地統計調査)。しかし、空き家総数849万戸の(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇85 不動産STOってなに? 〝老人大国〟への備えを 気になる不特法への波紋
STOは、Security(有価証券)をToken(デジタル化された財産的価値)として Offering(提供)することである。ということは、不動産STOは不動産という個別の価値を持った財産をデジタル有価証券として発行したものという(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇84 話題の会社ーー 不動産業に思想を 地域のために何ができるか
お題目ではなく、本心から独自の企業理念を掲げる不動産会社が増えている。来年創業55年を迎えるリブラン(東京都板橋区、渡邊裕介社長)もその一つ。同社には「住宅産業は人間産業」「思想なきマンションはただのハ(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇83 奥深い賃貸仲介 「住む部屋で人生が変わる」 女性塾で誠不動産社長が講演
不動産女性塾(北澤艶子塾長)の第32回セミナーが3月23日、東京の明治記念館で開かれた。隔月で開かれる同セミナーを取材するたびに、不動産業界に対する視点を幾重にも重ねてきたが、今回は売買に比べ普通なら軽く(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇82 「PPP講座」ってなんだ? プロの職責を問う 経済もビジネスも哲学の時代
第1回「PPP(プロフェッショナル・プレイヤー・フィロソフィー)講座」が都内で開かれた。一般社団法人不動産流通プロフェッショナル協会の主催。3番目のPはフィロソフィー(哲学)の意味。同協会は不動産流通推進セン(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇81 待ったなしの少子化対策 不動産業だからできること 女性の労働環境を改善
少子化対策には現行の「働き方改革」の推進と、わけても女性の労働環境を抜本的に改善する社会変革が不可欠となる。不動産業はその双方で貢献できる産業だ。 一方、少子化は経済の発展と女性の社会進出がもたら(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇80 「てまひま不動産」 〝住文化〟生む経営思想 手を掛けてこその住まい
中古マンション・戸建の購入からリノベーションまでがワンストップで完結する、ありそうであまりなかった専門店。それが、リブランが7年前に始めた「てまひま不動産」。資金計画に始まり、リノベーションを想定し(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇79 人間的成長めざす「女性塾」 新春セミナー・戸倉蓉子氏が講演 人生をデザインする魔法
不動産業界には様々な勉強会や集まりがあるが、その多くは情報交換や研修会などを通じてビジネスに役立てるための活動が中心だ。そうした中、一般社団法人不動産女性塾(北澤艶子塾長)はむしろ会員同士の〝人間的成(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇78 コンプラとはなにか 究極のCSか 生き残る種への進化か
推進センターが講演会 1月18日に開かれた不動産流通推進センターの「不動産業におけるコンプライアンス確立に関する講演会」はアーカイブ視聴を含め約600名が参加する盛況ぶりだった。 同推進センターは20年から(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇77 これからの不動産業 (下) 蔓延する将来不安 住宅は売ればいいのか
(前号からのつづき) 昔、先輩記者に言われた。自分の見方・考え方、推測が正しいかどうかを取材するのがジャーナリストで、世の中に起きていることを可能な限り客観的に伝えるのがリポーターだと。ではその自分(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇76 これからの不動産業 (中) 既存市場が育てる住文化 AIで消えないために
(前号からのつづき) 顧客に満足してもらう仲介を行うためには、顧客の売る理由、買う理由を事細かく聞き出す努力が必要だ。しかし、初対面の相手から根掘り葉掘り聞き出すのは至難の業だし、相手もプライベート(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇75 これからの不動産業 (上) 住宅市場の主役は仲介へ 〝聞く力〟が鍵に
住まいは、その人の生活基盤となる。だから日本賃貸住宅管理協会の塩見紀昭会長はこう言った。 「不動産会社の仕事は顧客が求める条件に合った物件を〝探す〟ことではなく、顧客の人生における大きな夢を〝叶(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇74 現代は〝人の世〟か 異常な閉塞社会 住文化が日本を救う
ペットマンション、ガレージハウス、夜でも楽器が演奏できる防音マンションなど賃貸住宅市場で目立ち始めたコンセプト化の動きが住文化への扉を開く。住文化とは、住まいをハードではなくソフトで捉えることである(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇73 住まいの質とはーー 野村不がスモールミーティング ライフスタイルとの親和性重要に
例えばある部屋の大きな壁に一幅の絵が掛けられていて、その絵が醸し出す雰囲気と部屋全体の陰影がマッチしている。例えば朝日が部屋に差し込み、その光の中に座っていると一日の気力が湧いてくる。例えば門扉から(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇72 参加者は泣いた 愛の深さに 「ひと」の命の果敢なさに
リブラン創業者の鈴木静雄氏は11月27日、東京・椿山荘で「『狂愚三昧の経営』出版及び、一般財団法人ひと・住文化研究所設立〝感謝の集い〟」を開いた(3面参照)。 『狂愚三昧の経営』は鈴木氏の60年近い波乱万丈(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇71 異色の団体たれ 思いはひとつ 志は秘めてこそ花
不動産業界には次々と新しい団体や組織、勉強会が誕生する。それらの多くが不動産市場の変革をめざしている。 「不動産業界に対する国民の信頼を高めたい」「プロフェッショナル化を進め、不動産営業社員の社会的(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇70 「好き」ということ 自由な自分がそこにいる 街に暮らす楽しさ
「好きなことを仕事にしている人は幸せだ」とよくいわれる。しかし、そんなことをいえばそれはなにも仕事に限らない。青春時代に親友に恵まれることも、好きな人と出会えて結婚することも、時間を忘れて没頭できる(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇69 自由の正体 オフィス革命が迫る 大人の〝自分探し〟
今のように世の中が信じられないときは、人は自分を信じて生きるしかない。だから、自分というものをもっていることが大事になる。 では、自分とはなんだろうか。特に社会人といわれる大人にとって、自分とは職(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇68 心ある人たちへ コロナが与えた好機 「ひと」と「住文化」を研究
心は母親の胎内にいるときから育まれるともいわれるが、ではその人間の心とはなにか。心の正体がつかめなければ、業界の変革をめざし「心ある者たち」に呼びかけることさえもできない。 ◇ ◇ 今(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇67 時代は変われど 原点を忘れない 人間産業という誇り
庶民という言葉には力がない。もしかしたら、自分を庶民だと思っている日本人は一人もいないのではないか。 つまり、死語に近い。80年代後半のバブル経済時代には〝一億総中流〟という言葉が流行ったが、中流と(続く)