彼方の空 記事一覧
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彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇52 伝わる言葉・受ける力 対(つい)の構造が意味を生む 生があるから死があるように
人生も、生きている充足感も日々の暮らしの中にある。「日々生きている」という意識の中にこそ、幸せがある。それは間違いない。 本コラムは「人間にとって幸せとは何か」を大きなテーマの一つとしているが、筆(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇51 住と町に癒しを 時代が業界をつくる 熱い義務感を持つ〝士〟を抱け
自分が住んでいる町、仕事関係でよく訪れたことがある町、ときどき飲みに出掛けていた町――。 今は、それらのどの町にも魅力を感じない。そのことに唖然とするし、今ほど、渇いた喉が水を欲しがるごとく住みたい(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇50 住まいはハードか、ソフトか 感性で選ぶという論理 仲介業に課せられる義務
〝追客〟という言葉を最初に聞いたとき、アフターサービスのことかと思った。 マーケティング戦略として、ターゲット層を分析する言葉はいろいろあるが、はじめてその意味を知ったときは驚いた。追われるほうは(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇49 企業とは。仕事とはーー 問われる存在理由 社会の高度化、課題山積が背景
企業は何のために存在しているのか。根本的問い掛けである。「社員の生活を守るため」というのも立派な存在理由だ。ただし、「守りの姿勢」と言われなくもない。同じ〝守り〟でも「地球環境を守る」といえば〝先端(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇48 「何が問題か」が問題 〝手数料〟では見えてこない未来 なぜ〝報酬〟と言わないのか
宅地建物取引業法上は媒介報酬(報酬告示)と言うのに、なぜ業界は仲介手数料と言っているのか。手数料とは「ローン借り換え手数料」などのように、一定の手続きに対する対価として事前に定めてある料金のこと。では(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇47 仲介イノベーション 媒介報酬は売主負担で 買い手には調査・診断費用を
不動産経済研究所が発表した21年度の首都圏新築マンションの1戸当たり平均価格は6360万円となり、バブル期の90年度(6214万円)を超えて過去最高となった。 厚生労働省の調査(19年)によると、国民全世帯の平均世帯(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇46 創刊75年・読者の声 (下) 「Web版に新たな使命を」 業界の枠を超える〝専門紙〟
業界紙記者は業界の取材をするのが仕事だが、それだけで業界のことが本当に分かっていると言えるのだろうか。同じことは業界人にも言える。不動産業歴が長いほど、業界独特の思考から脱却するのが難しくなる。 半(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇45 創刊75年・読者の声 (中) 業界紙の使命 地域と暮らしに目を向ける
新聞は常に読者と共になければならない。国民全体を読者とする一般紙はそれでいいが、業界紙の読者は業界関係者となる。つまり一般紙に比べて対象範囲が狭く、密着度も高い。故に「読者と共にある」そのあり方が難(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇44 創刊75年・読者の声(上) 奥深い不動産業 暗闇を照らす灯りに
取材とは材料を集めること。集めた材料をどう料理するかが記者の腕の見せどころだ。どんな仕事にもプロとしての腕の見せどころがある。そうした様々な仕事の粋(すい)を取材する新聞記者という仕事を多くの先輩たち(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇43 セカンドオピニオン 買い手エージェントの新業務に 流通業のプロフェッショナル化促進
現代社会では街を行き交う多くの人たちがスマホを携帯している。歩いているときも、電車の中でも、コーヒーを飲みながらでも瞬時を惜しむかのように操作に熱中する光景に未だになじめない。街に出ても活気というも(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇42 多様化する集客方法 企業も個人も個性の時代 人間の気遣いとは
これまでポータルサイト重視だった不動産仲介会社の集客手法が多様化し始めた。ユーチューブ配信、ブログ、ホームページ強化などその活用ツールは様々だが、共通するものがある。それは自社の理念、住まいに対する(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇41 不可逆、コロナショック 人間復興のプロローグ 二地域居住は心奥衝動
〝コロナショック〟という言葉は、あとから見れば20~22年頃を境に私たちの生活スタイルが大きく変化していたことを示す。もともと〝3密〟(密集・密接・密閉)に対する嫌悪感は人間の感性である。密集の親玉、東京(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇40 為すべきこと サービス業の頂へ 報酬規制は時代錯誤
〝「わが家」を世界一幸せな場所にする〟は積水ハウスのグローバルビジョンだが、その大切な住まいを流通市場で担うのが仲介担当者である。今、その仲介担当者の能力やサービスの品質を問う動きが強まっている。(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇39 〝連帯〟の時代 家族、地域、そして・・・ 日本を祖国と呼ぶ人々と
核家族社会で子育てを終えた高齢者(夫婦)は身体の衰えと共に、万一のときの安心感を求めて老人ホームやサービス付き高齢者住宅へ転居するケースが多い。空き家となった自宅をシェアハウスに転換する事例も増えてい(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇38 続・空き家問題の背景 個人主義と核家族社会 輸入思想に死角はないか
核家族社会が続く限り空き家の発生を止めることはできない。核家族社会では子はいずれ独立し、親とは別の世帯(家)を持つことになるから、親が死亡すればその家は空き家となる。子が独立し、夫婦または一人暮らしと(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇37 空き家問題の背景 空虚な日本社会 「住宅すごろく」の再構築を
全都道府県で住宅ストック数が世帯数を上回ったのは73年。住宅政策の目標は「量から質へ」と変わった。それから既に半世紀。住宅市場の現状はどうか。 ストック市場の現状 「自宅のリースバック」が思いのほか高(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇36 〝転売型〟の妙 イメージ刷新 新・中間省略登記で利益還元
凝り固まったイメージほど恐ろしいものはない。物事の本質を見誤る弊害がある。そのことに気付かせてくれたのは、福田龍介氏著の『新・中間省略登記』(改訂版)だ。不動産取引の様々な形態とそこにまつわる多くの課(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇35 〝二刀流〟が人気 不安から生じる憧憬 心得があれば心強い
いまだ誰も挑んだことのない道を歩む――そんな生き方への憧憬が高まっている。 前人未踏とまでは言えないかもしれないが、不動産業界にも〝二刀流〟がいる。本コラム第1回目に登場した耶馬台コーポレーション(東(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇33 会社か、ユーザーか 誰のために働くのか TVドラマ『正直不動産』で考えよう
座談会から 原案者、夏原武氏「営業マンを追い詰めているのはやっぱりノルマ。歩合で稼がなければやっていけないことが重荷となっている。だから嘘をつくとか、契約をせかしたりする」 「このノルマと歩合という(続く) -
彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇34 儲けが先か、それとも どう仕事と向き合うか 男の論理、女の感性
一口に不動産業と言っても誰のためになんのために働くかで、その価値観は大きく異なる。売買、販売代理、買い取り再販、地上げなどは会社が利益を上げるための仕事だが、個人間の取引をつなぐ仲介は素人間の取引を(続く)