マンション向けに付加価値サービスを提供しているファミリーネット・ジャパン(東京都渋谷区・FNJ)と大日本印刷(東京都新宿区・DNP)は7月から、オンラインとオフラインの購買行動が連携し合うO2O(Online to Offline)の仕組みを用いて、電力需給ひっ迫が見込まれる前日に商業施設の割引クーポンなどを発行することで自宅からの外出を促し、電力需要のピークを抑える実証実験を行う。1都3県でFNJが提供するエネルギー消費量の見える化などを行うHEMS機器、ミエコを導入しているマンションの入居者を対象に、6月24日まで実証実験に参加する約200世帯を募集。参加世帯には、アプリを通じて、電力利用状況の確認や商業施設の割引クーボンなどの受信が可能なAndroidのタブレット端末「Nexus7(ネクサスセブン)」を無償提供する。実証実験は2014年6月30日まで1年をかけて行う。
両社は同実験を通じて、入居者と割引クーポンを発行する各協賛企業などをつなぐ、マンションのエネルギーマネジメントとO2Oを組み合わせた新たなサービスの展開につなげたい考えだ。
FNJでは、2011年と2012年の夏にも節電行動の実証実験を実施した。消費電力を抑えた分、インセンティブを与える形で行ったが、自宅にいながらの節電行動は参加者それぞれで効果に大きな差が出たという。一方で、当然ながら、同時間帯に外出している世帯の節電効果はいずれの世帯も顕著だった。このため、今回の実験では節電につなげるために、いかに外出を促すかという考え方にシフト。O2Oサービスを展開するDNPと共同で行うことを決めた。