大京(東京都渋谷区)は、機械に頼らず自然の力を最大限利用するパッシブ手法の1つとして、新たに居室用の通気ルーバー扉を開発した。このほど行ったパッシブ手法の省エネ効果に関するシミュレーションで、これまで導入してきた換気機能付き玄関ドアやバルコニーのグリーンカーテン、自然換気ストッパー付きサッシなどと併せて導入することで、4カ月で3390円分の電気代削減効果が得られることを確認したという。通気ルーバー扉は、第1号として、10月上旬に事前案内会を開始する予定の総戸数40戸のマンション、「ライオンズ田無セントマークス(東京都西東京市)」に導入する予定だ。
通気ルーバー扉は、扉の下部に季節や時間帯などに合わせて開閉できる可動式ルーバーを設けたもの。他のパッシブ手法との組み合わせで効果的に外気を取り入れ、室内環境を良好にするという。
電気代削減効果はLIXIL協力のもと、温熱環境解析ソフトを使って数値化することで確認した。いずれのパッシブ手法も採用していない住宅(非採用住宅)と全てを採用した住宅(採用住宅)について、6~9月の4カ月間比較したところ、冷房にかかる電気代(4カ月の累積)は、非採用住宅で1万894円、採用住宅は7504円。3390円の差が出たという。
なお、シミュレーションの条件は、専有面積75平方メートルで部屋の方位は南向き。会社員の夫と専業主婦の妻、中学生の子供の3人家族で、室温27℃かつ湿度60%以下を保つようにエアコンを稼働させる場合を想定している。