京都府宅地建物取引業協会(伊藤良之会長)は2月25日、京都市内のホテルで一般消費者を対象にした空き家セミナー「松本明子さんも驚いた『その手があったか!』空き家にしない、上手な不動産の活用法」を開催、約370人が参加した。
同セミナーは京都宅建が安心・安全な不動産取引実現に向け、事業者と消費者をつなぐ架け橋として企画した地域貢献活動の一環。
今回は京都市の空き家問題とその解決に向けて、所有者と行政、不動産団体が一体となって取り組むことを目的に開催した。
開催に先立ち、伊藤会長は、「空き家を売却や賃貸することで新しい人の流れが生まれる。使用していれば建物として持続する。今回のセミナーでは、京都市の施策や利活用事例を紹介、今後の空き家問題解消の一助になれば」と期待を込めた。」
第1部の基調講演はタレントの松本明子さんが「実家じまいエピソード」をテーマに登壇、自身も両親の家を相続した体験談を踏まえ、「家じまいや家財整理は一筋縄とはいかない。両親の思いがつまった実家を処分することの後ろめたさ=空き家につながっているのが現状。早い段階で空き家の利活用に取り組むべき。家の現況を知り、専門家に相談することが重要」と参加者に語りかけた。
第2部のパネルディスカッションでは空き家流通と利活用の可能性について、伊藤会長と松本さん、上原智子京都市住宅室住宅政策課部⻑を招き、それぞれの立場から空き家問題を解決に導くための考え方やそのプロセスについて議論した。
上原さんは2018年の住宅・土地統計調査(総務省)を引き合いに、市内の空き家は10万6000戸、空き家率は12.9%、そのうち管理不全空き家が4万5000戸となり、総住宅数82万1000戸のうち8軒に1軒が空き家となっている現状を報告。「空き家になる前の早期対応が必要不可欠」と訴えた。
伊藤会長は、「空き家に対して、市民・企業・行政の連携・協働を推進していくことが重要。中でも、当協会の相談員が登録する空き家バンクを活用してほしい」と述べた。
松本さんは「『古い』、『汚い』という空き家のネガティブなイメージを払しょくするには、空き家の活かし方を工夫することでポジティブなイメージを生み出すことができる。あきらめないでほしい」と語った。
セミナー終了後、専用ブースを設けて、同協会相談員による無料相談会を開催、事前予約と当日申込み分も含めて、32組が相談に訪れた。
※写真は左から上原さん、松本さん、伊藤会長