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記者が解説 住宅新報web週刊ニュース記事(3月12日~3月18日)

・モゲチェック 住宅ローン市場24年予測

・東商リサーチ、2月・不動産業の倒産 大型倒産で負債増

・売上高3兆円を突破3期連続で最高益に 積水ハ

 1週間のランキング・トップ10から記者が気になる記事を3つピックアップします。1位の「モゲチェック 住宅ローン市場24年予測 最速4月 マイナス金利解除 固定型下落、変動型も低位安定(2024/3/12号)」です。日銀は3月18~19日の金融決定会合でマイナス金利の解除を決めました。当初は4月との見方が優勢でしたが、春闘の結果が想定を上回る賃上げを示したことで3月に踏み切りました。17年ぶりの利上げです。株式市場は歓迎の意向を示しています。いよいよ「金利のある時代」の到来です。ただ、住宅・不動産業界にとってもろ手を上げて歓迎できるわけではありません。今後の利上げのスピード感が重要になりますが、住宅ローン金利の上昇に伴い住宅の売れ行きに影響するかもしれません。いずれにしろ、今年は日銀の動向から目が離せません。

 次に挙げるのは、9位の「東商リサーチ、2月・不動産業の倒産 大型倒産で負債増(2024/3/12配信)」になります。今年の企業業績は過去最高になるとの見方が多い一方で、不動産業で大型倒産が明らかになりました。不動産各社の2024年3月期決算は過去最高が相次ぐ見通しですが、半面、同じ不動産業でもそうではない事業者もいるということです。ここにマイナス金利の解除、長短金利操作(イールド・カーブコントロール、YCC)の解除など大規模金融緩和が引き締められます。有利子負債比率が高いのが不動産業界の特徴であるため、大型倒産予備軍が潜んでいてもおかしくありません。

 3つ目は10位の「売上高3兆円を突破3期連続で最高益に 積水ハ24年1月期 決算(2024/3/12号)」です。9位の暗いニュースとは一転、過去最高益を達成します。住宅・不動産各社の二極化が鮮明になっています。大手の住宅メーカーと大手不動産各社は、国内マーケットの縮小を視野に海外事業にも活路を見いだそうと進出するなど収益機会の拡大を進めています。積水ハウスもその方向にあります。ただ、国内での知名度は抜群なものがありますが、海外の消費者からは知られていません。今後も最高益を続けようと考えれば、国内市場の深掘りと新天地での成功が欠かせません。今後の展開に注目したいところです。

 

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