大和ハウス工業は9月16日、相模原市中央区に同社初となるレンタルラボを併設する複合型物流施設「DPL相模原Ⅱ」を着工する。レンタルラボはさがみはら産業創造センター(相模原市緑区、山﨑利宏社長、SIC)との協業を予定しており、次世代産業の創出や地域活性への貢献を目指す。
首都圏中央連絡自動車道(圏央道)「相模原IC」、「相模原愛川IC」から約5キロ、JR相模線南橋本駅から約1.3キロの「さがみロボット産業特区」(神奈川県がロボット技術の研究・開発、実証実験、産業振興を推進する地域)内に位置する敷地3万3567.67平方メートルに、延べ7万7730.81平方メートルの5階建てを建設する。竣工は、2027年9月17日を予定。
横浜駅から約25キロ圏内、東京駅から約40圏内に位置し、東名高速道路「蛯名JCT」から約17キロ、中央道「八王子JCT」より約12キロと、各高速道路へスムーズなアクセスが可能であるほか、保土ヶ谷バイパスや八王子街道などの幹線道路にも近接しており、関東広域や中部圏への配送拠点の要衝として最適であると共に、広域配送や近隣市街地への配送拠点にも適している。
JR相模線南橋本駅から徒歩圏内の職住近接の立地であることから、地域住民がパートタイムや短期間・短時間勤務などの柔軟な働き方を選びやすくすることで、安定した人材確保を見込んでおり、施設内全体で約700人の雇用を想定。普通自動車約212台分の駐車場や自動二輪駐車場20台分、183台分の駐輪場を確保する。
1~4階が物流施設、5階が起業家やスタートアップ、ベンチャー企業の成長を支援するインキュベーション機能を持つレンタルラボで構成。物流施設は延べ6万7727.52平方メートル、賃貸面積5万5604.71平方メートル、入居数最大7テナント(1区画約5000平方メートルから)。レンタルラボは延べ7657.47平方メートル、賃貸面積5693.49平方メートル、入居数最大26テナント(1区画200平方メートルから)。
レンタルラボは、SICが市内で運営する既存の3施設4棟への入居企業との交流や連携も予定。レンタルラボ専用のラウンジ(約180隻、約364平方メートル)や貸会議室(4室)を完備。ラボ利用者間の交流や多様なコミュニケーションのサポートを図るほか、実証実験スペースを設置。1~4階の物流施設のテナント企業との相互連携によって、物流分野におけるDX加速に取り組む。
物流施設は、トラックバースは地面と同じ高さの低床式を採用。床荷重は1平方メートル当たり最大2トンまで対応可能とすることで、施設の汎用性を高めた。また、ほぼり・下り専用のダブルランウェイを採用。1~4階の全フロアへのアクセスを可能とすることで、安全性と効率的な入出庫の実現を図った。1階にはテナント従業員が利用できるラウンジ(約160席、約200平方メートル)を設置すると共に、トラック待機所の近接エリアにトラックドライバー向けの休憩室を設けるなど、テナント企業の従業員の労働環境の整備を図る。
屋上に1428キロワットの太陽光発電システムを設置し、発電した電力は自家消費すると共に、余剰電力は売電することで、再生可能エネルギーの普及拡大への貢献を図る。また、節水器具や加温自動水栓、全館LED照明、全熱交換器を採用することで、環境負荷の低減に配慮。BELSの最高ランク6つ星の取得とNearly ZEB以上の基準の達成を目指す。
更に、太陽光発電システムで発電した電力を蓄電できる非常用蓄電池を設置することで災害時のBCP(事業継続計画)への対応や地域に開かれた防災拠点としての対応も可能とする。