大和ハウス工業と日本貨物鉄道(JR貨物)は9月16日、千葉市美浜区に大型マルチテナント型物流施設「DPL千葉レールゲート」を竣工した。両社の共同事業は「札幌貨物ターミナル駅」構内の「DPL札幌レールゲート」(札幌市白石区)に続く第2弾。
京葉道路「穴川IC」から約3.5キロ、東関東自動車道「湾岸千葉IC」から約5キロに位置する敷地4万8539.02平方メートルに、延べ11万3916.11平方メートルの4階建てを建設。賃貸面積は8万8701.01平方メートルで、1区画5071.5平方メートルから、最大12社のテナントが入居できる。複数の幹線道路にアクセスしやすいことから、広域配送に適しているほか、京葉臨海鉄道臨海本線千葉貨物駅から約9キロ、成田国際空港から車で約40分、更に貨物取扱量全国2位で国際拠点港湾に指定されている千葉港の新港地区に位置するなど、海外輸送の拠点としてのニーズも見込む。
各フロアにトラックが直接乗り入れられるダブルランプウェイを採用。上りと下りの動線を分離し、トラック同士の交差や渋滞の抑制とスムーズな出入庫を図った。1フロアに58台分のトラックバースを備え、トラックの入場予約システムやオンラインチェックインシステムを導入することで、荷物の積み降ろしのために待機する「荷待ち」時間の短縮や、入出庫業務の効率化を図った。
屋上には3304キロワット分の太陽光発電システムを設置。電力の自家消費と非化石証書の活用によって、建物全体を再生可能エネルギー100%で運用し、入居テナント企業の脱炭素化への貢献を図った。また、BELSの最高ランク(6つ星)と「ZEB」を取得し。建物の省エネ性能の最大化とエネルギー消費量の大幅削減を実現。施設内緑化や全館LED照明、節水型設備などを採用し、環境負荷の低減に配慮した。
また、施設内には最大14人の子供の受け入れが可能なテナント企業の従業員のための保育施設を設置したほか、カフェテリアや無人コンビニエンスストアトラックドライバー向け休憩室を用意するなど、就労環境の整備を図った。