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YKK AP 再生アルミ100%の建材の物件対応を開始

 YKK APはこのほど、リサイクルアルミを100%使用したアルミ建材「Re・AL(リ・アル)」を使った物件対応を全国で開始した。同社はリサイクルアルミの使用比率向上を目指しており、既存の住宅用・ビル用全商品のリサイクルアルミ使用比率は平均60%(今年度)推定値)に上る。

 アルミニウムは、ボーキサイトという鉱石から精錬される段階で大量のエネルギーを使用するが、リサイクル材を使用した場合は、エネルギーを低減できるため、原材料ベースでCO₂排出量を97%削減可能となる。

 「Re・AL」は、市中リサイクル材と社内の製造過程で生じる端材(社内リターン材)を使用した、リサイクル使用比率100%の窓やカーテンウォールなどに使用されるアルミ形材。アルミとは異なる異種金属や異物、同じアルミでも合金成分が異なる合金種を選別・除去し、新地金を使用した製品と同等の品質・機能を持ち、第三者検証の環境製品宣言「SuMPO EPD」を取得。新地金も使用する既存の自社製品のアルミ建材と比べ、原材料調達・輸送・製造に至るまでのライフサイクルを通して排出する CO₂排出量の73%削減を実現する。

 同社は昨年、会社設立30年を機に、創業の地である富山県黒部市に10月に竣工した自社ビル「YKK AP30ビル」や同11月に竣工した自社施設「YKK AP技術館」でリサイクルアルミ 100%の窓、カーテンウォールを採用した。

 他社開発物件でも、三井不動産レジデンシャルの8階建て新築マンション(総戸数17戸、27年2月28日竣工予定)への「Re・AL」の採用が決定した。今後は、建築物の環境価値の向上に優先的に取り組む建材や自社商材を中心に、非木造建築向けビル用商品(窓、カーテンウォール)の受注生産を推進。27年度に15億円の受注を目指す。