アットホームが全国の18~29歳の学生・社会人を対象に実施した「ユーザー動向調査 UNDER30 2025 賃貸編」によると、住宅市場における若年層の価値観は、設備・立地・安心性のバランスを軸とした実利志向へシフトしていることが分かった。
主な設問を見ると、現在住む物件の平均築年数は学生13.4年、社会人13.0年とほぼ同水準で、築浅志向が突出して強いわけではない。一方、最寄り駅から徒歩10分以内に居住する割合は学生・社会人とも過半を占め、利便性重視の姿勢が明確だ。物件選びの終盤で「重視した条件」として最も多かったのが「2階以上」であり、重視した設備では「バス・トイレ別」が最多だった。
節約意識に関する回答では「食費を抑える」が最も高く、「住宅費の節約」を優先する割合は1割前後にとどまった。住まいより毎日の生活コスト削減を重視するライフスタイルがうかがえる。ただ、防犯意識については特徴的な傾向が見られた。現在の部屋が防犯面で「安心できる」と感じる割合は高いが、実際の防犯対策を講じているのは半数を下回り、意識と行動のギャップが浮き彫りとなった。
次回の物件探しでほしい設備としては「モニタ付インターホン」が学生・社会人とも8割を超え、安心感を求める姿勢が一段と強まっている。物件探しの情報収集では、不動産ポータルサイトの利用が最も多く、学生で6割強、社会人で7割弱が活用していた。
これらの結果から、若年単身層は「利便性・安心・基本設備の快適性」を重視しつつも、住居費の圧縮より日常生活コストの最適化を優先する実態が浮かぶ。同調査は2023年7月以降に賃貸契約を行い、現在一人暮らしをしている若年層1635人を対象に実施したもの。




