今年のゴールデンウイークは暦の関係で、多くの人が長い連休を取れるようになっていたこともあり、全国の観光スポットで大にぎわいをみせた。しかし、GW後半には急激な気圧変化により、北関東に死者も出すような大竜巻が起きるなど、穏やかな連休というわけにはいかなかった。
▼それにしても、この春の天候不順は何だろう。冬の寒さが4月まで続き、初旬、いきなり「爆弾低気圧」に見舞われた。そして、この大竜巻。気象庁などの現地調査で、「藤田スケール」(シカゴ大学の故藤田教授が提唱した竜巻の強度を分類する等級)でF2(弱い方から3番目)強度の竜巻が同時多発的に3本発生、被害を巻き起こした。特に被害が大きかったつくば市の雇用促進住宅には、原発事故による福島県浪江町からの避難者もいた。若いお母さんの「ようやく震災前の暮らしに戻りつつあったのに」と涙する姿に言葉もない。
▼竜巻の発生は一瞬だ。起きてしまったら、頑丈な建物でおとなしくしているしかない。現状では発生予測も、的中率1%ほどと全く進んでいないため、その予測の発表も論議がある。ただでさえ住宅が密集している日本で起きたら、被害は甚大だ。速やかな予測技術の向上が不可欠である。
▼「でも泣いてもらちは開かないし、また新しい家を探します」と気丈に話すヤンママ。彼女らをもう泣かすわけにはいかない。