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大言小語 人に「教える」とは

 先週、経団連が就職活動における採用面接の解禁日程などについて発表した。思えば数十年前のことだが、就職活動での様々な経験を思い出す。正直、満足な活動ができずに終了した。それでも今、何とか働いている。たとえ満足いかない就活だったとしても、勝負はそれ以降なのだ。

 ▼来年4月には、希望に胸を膨らませた多くの若人が社会へと仲間入りする。大人であるとはいえ、社会の〝掟〟をまだまだ知らない若者だ。だからこそ、採用する側はしっかりと育てていく責任がある。甘い考えを放置しておけば、そのまま人生を歩んでいくことになる。会社で過ごす時間は、家族と一緒にいる時間よりも長い。パワハラやブラック企業はもってのほかだが、「詰めの甘い教育」はいかがなものか。「時代は変わった」といった指摘もあるが、本質的な社会教育、そして人間教育をできる企業こそが、次世代を担う人材をしっかりと育て上げ、永続的に発展していける。

 ▼人を教育するということは、非常に大変なことだ。自分を律しなければならないし、時には自らを変えなければならないケースも出てくる。ただ、間違いなく言えることは、人への教育は自分自身の人間的な成長にもつながる。まさしく、器が一回り大きくなる。だからこそ、より多くの人が「教える」ことに携わるべきで、その機会を創り出すことも、企業にとっては社員教育になるのだ。