大阪・豊中市の土地は国有地で不動産鑑定士の鑑定評価額は9億5600万円だったが、8億円を超える額が差し引かれ1億3400万円で学校法人森友学園が入手した。8億円はゴミ撤去費用だというが、ヒ素やシアン化合物などがあるわけではなく、生活ゴミなどだという。近隣地は豊中市に14億2300万円で売却されている。10分の1で土地を手に入れることができた状況は極めて分かりにくい。
▼私立小学校の名誉校長に総理大臣夫人の安倍昭恵氏が就任していたり(後に辞退)、森友学園が運営している幼稚園で虐待と思われる指導がなされたりと他の面でも世間を賑わしているが、土地取引だけでもツッコミどころがある。冒頭記した大幅値下げのほか、当初定期借地契約をし、その間に土壌汚染、地下埋設物の除去を行った場合、その費用を有益費として国が森友学園に返還できるとして、1億3000万円を得た。また、15年度サステナブル建築物等先導事業に採択され、補助金が6100万円出ている。ちなみにこの事業は応募7件で採択が6件だった。相当練りに練られたスキームというしかない。
▼もちろん、スキームで必要経費を削ったりするのは何ら問題はない。ただ、ここまで周到な計画をした当事者が名誉校長をしつこく強引に押し付けたといった稚拙な方法を取るかなど、疑問だらけだ。関係者一同の説明が待たれる。