経済産業省の主催する「日本スタートアップ大賞2025」の受賞者が8月26日に発表され、国土交通大臣賞(国土交通スタートアップ賞)はTerra Drone(東京都渋谷区、德重徹社長)が受賞した。社会的インパクトのある新事業を創出したスタートアップを表彰することで、次世代の起業家等のロールモデル提示や起業家への評価の浸透等を図り、社会全体のチャレンジ精神を高める狙いで、政府及び複数の中央省庁が主体となって実施している事業。
国交大臣賞を受賞したTerra Droneは16年創業で、測量及び点検、農業分野におけるドローンサービス事業と、ドローンの運行管理システム事業を展開。ドローンを活用し、独自の技術による測量・災害復旧支援や、建築現場・インフラ施設等の点検といった事業を手掛け、労働力不足対策や危険作業における効率化・安全性向上を図っている。受賞のポイントとして、国は「低空域のインフラ構築という新たな産業領域を開拓」した点などを挙げる。
同大賞の前身は15年開始の「日本ベンチャー大賞」で、22年に現在の名称へ改めた。最高賞に当たる内閣総理大臣賞(日本スタートアップ大賞)や経産大臣賞(日本スタートアップ大賞)、国交大臣賞のほか、農林水産省、文部科学省、厚生労働省、総務省、防衛省が参加し、それぞれの所管分野について各大臣賞を選定している。今回は計230件の応募があり、総理大臣賞には人工知能ロボットの開発・活用を手掛けるロボティクス企業「Telexistence」が選ばれた。
(写真) 内閣総理大臣官邸で開かれた表彰式にはTerra Droneの德重社長(左から4人目)が出席し、石破茂総理(同3人目)に自社開発の屋内点検用ドローンや同社サービスについて説明した(同社リリースより抜粋)