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記者が解説 住宅新報web週刊ニュース記事(2025/08/19〜2025/08/25)

Pick Up!

  • 大手住宅メーカーの7月受注金額
  • 〝竣工後も分譲継続〟首都圏で50%超
  • 不動東京23区が3カ月連続1億円台

 1週間のランキング・トップ10から記者が気になる記事をピックアップします。まずは、今回は、7位の「東京カンテイ 大手デべの新築マンション販売 〝竣工後も分譲継続〟首都圏で50%超(2025/8/19号)」になります。好立地が限られてきていることで、新築分譲の供給も減少傾向が続いていますが、厳選して開発された分譲マンションだけに価格が高騰する中でも売れ行きは好調。昔の分譲マンションは、即日完売がニュースになるような世界でしたが、今では竣工後に売れ残っていても販売価格を下げずに適正な価格で販売することに軸足を置いています。即日完売になれば、値付けが間違っていた、相場観が間違っていたのではないかとの社内評価につながりかねません。

 このような販売方法を昔から行っていたのが住友不動産です。同社では、むしろ現物を見てもらって納得したうえで購入してもらえるのがメリットで、適正価格での販売にこだわっています。住友方式を他のデベ各社も普通に採用されていることが注目されているのではないでしょうか。

 次の注目したいのが3位の「中古マンション価格、東京23区が3カ月連続1億円台 東京カンテイ(2025/8/21配信)」になります。こちらは中古マンション市場になります。販売価格の高騰は、新築だけでなく、中古マンションにも波及しています。新築供給が限定的になってきたことで消費者のお眼鏡にかなった物件の取り合い(抽選)が激しくなっています。抽選にもれた消費者が、それに近いマンションを中古で探す動きが活発になっていることが大きいです。特に東京23区では、新たなマンション用地が出にくいことから、既に好立地にある中古を物色する動きにもつながっています。

 そうは言っても中古マンションで平均価格は億ション、これが常態化すれば都区部にはもう住めないとの一般消費者の声はめずらしくありません。平均1億円というのは都心部のマンション取引が押し上げていることが要因で、これらの地域には投資マネーが流入しています。今後の観測としては、価格に天井感が出ていることと、日銀の利上げ政策がポイントとなりそうです。賃金との兼ね合いもありますが、住宅ローン金利が上れば、必然的に売れ行きに影響します。新築も中古についても、足元の読みづらい市況感が注目を集めている要因と言ってよいでしょう。

 最後は、ランキングトップの「大手住宅メーカーの7月受注金額 6社が「注文」前年上回る 賃貸では2社が二桁成長(2025/8/19号)」になります。建築費がかさむ中でも大手の戸建て注文住宅の需要が堅調に推移していることがうかがえます。分譲戸建て住宅向けの用地取得状況も前年同月を上回る進捗となっています。一方で、前年同月比でマイナスになっている部分も少なくありません。各社によって得意とするところが異なりますので、それぞれの得意分野の動向を見ていくことが、各社の業績を見立てるうえで重要になっています。

 

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アクセスランキングトップ10 (2025年8月19日~2025年8月25日)