政策

支援制度、業界へ周知 国交省 賃料猶予も固定資産税減免対象に

 国土交通省土地・建設産業局の不動産業課と不動産市場整備課は4月17日、不動産業界団体に対し、新型コロナウイルス感染症による影響への支援策の通知を行った。

 同通知は、3月31日に行った飲食店テナントへの賃料猶予等の要請や、関連して4月9日に送付した国の支援策についての〝事務連絡〟通知に続くもので、新たに詳細が明らかになった制度等を具体的に説明。各団体の加盟企業に加え、取引先の賃貸事業者やテナント事業者にも各種支援制度の周知を求めている。

 今回は、同感染症により税や社会保険料(以下、税等)の納付が困難になった場合などの特例措置を紹介している。2月以降の任意の期間(1カ月以上)、事業収入が前年比2割以上減少している事業者等は、21年1月末までに納付期限を迎える税等について、無担保かつ延滞税不要で1年間納付が猶予される予定。更にこの措置では、不動産事業者がテナント賃料を減免した場合や、税等の納付期限まで賃料猶予中の場合なども「事業収入の減少」として扱われる。

 加えて、固定資産税の減免措置も設ける。具体的には、中小事業者の事業用建物および設備等の固定資産税と都市計画税について、2月から10月までの任意の3カ月間に、同感染症により事業収入が前年同期比30%以上50%未満減少した場合は2分の1とし、50%以上の減少で全額免除とする。こちらについても、不動産事業者による賃料減免・猶予は「事業収入の減少」として扱う見込み。税等の猶予措置を設けることで、テナント賃料の減免・猶予が難しい事業者などの事業資金に余裕を持たせてハードルを下げ、飲食店等のテナント事業者の支援につなげる狙いと考えられる。

 なお税等の納付自体は、同感染症対策の一つとして、事業収入の増減や企業規模等を問わず申請すれば1年間猶予し、延滞税も軽減するという措置が別途設けられている。

既存施策の詳細も記載

 同通知では、前回の〝事務連絡〟で伝えた「テナント賃料減免時の損失の税務上の損金算入」についての詳細も記載。この措置を活用する際、賃料減免の証明として税務署に提出する書面の様式例も添付した。

 このほか、資金繰り支援措置「セーフティネット保証5号」の対象業種への不動産関連事業の追加など、実施済みまたは実施予定の支援策を取りまとめ、周知を図っている。