体感治安が悪化しているという声が多く聞かれるようになり、ニュースでも都市部で闇バイトを実行役にした強盗事件が相次いでいるが、あえて在宅中に侵入する「居空き」は空き巣に比べると数は少ないものの、被害者の危険度はより高まるという話を以前耳にした。
▼高齢者のみ、あるいは子供のみといった家や注意が向かない部屋に侵入するなど、不在宅への侵入より、更に詳細に狙った住戸の状況を把握してする必要があると思われる強盗側の〝事前準備〟を考えると、もはや不在時や就寝時の防犯対策だけでは到底安心できない、というのが正直な印象だ。
▼こうした犯罪の場合、強盗の被害に遭うこともさることながら、昨今は割の良いバイトや副業を探しているうちに、いつの間にか犯罪の片棒を担がされ、加害者になってしまうといった恐ろしさもはらんでいる。地下鉄などでも〝そんなバイトないから!〟など呼び掛ける啓発広告が目に付くようになった。
▼当然ながら、犯罪の加害者など、〝なりたくてなる〟ものではなく、〝闇バイト〟も、求人で見るからにそれと分かるケースの方が稀だろう。犯罪に巻き込まれる機会が日常の延長線上に紛れているといえそうだ。
▼オープンハウスグループは警察官を招き、全社員に向け「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」に関する研修会を実施した。加害者にならないための防犯も必要なのか。