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JKAS 神戸、築50年団地の空き家  登山愛好家向けにリノベ 〝駅遠・エレベーターなし〟が日常訓練に

 不動産のあらゆる困りごとをサポートする相談窓口を全国に約70店舗展開するJKAS(ジェイカス、大阪市中央区、西上正通代表取締役)は、兵庫県神戸市にある築50年団地の1室を〝山好き若者夫婦〟向けの住まいとしてフルリノベーションした。大手アウトドア用品の専門店の協力の下、インテリア備品の選定などを行い、同社の「空地空家に〝困ったとき〟のあなたの街の相談窓口」が手掛けたもの。施工期間は2カ月。販売価格は830万円、賃貸の場合は月額7万円(賃料6.5万円、管理費5000円)で募集中だ。

 同物件は神戸市北区ひよどり台団地(5階建て)の5階の1室、約62m2。最寄り駅までバスで20分以上、エレベーターなしの築古物件で、相続が発生するまで10年間空き家状態だった。相続人の友人である弁護士からの紹介を受け、「空地空家の窓口」がプロデュース。「身体を日常から鍛えられる」「自然が豊かなエリア」と価値転換し、山好きの若い夫婦やトレイルランナー向けにリノベーションした。

 間取りは和室3室の4DKから、洋室と畳コーナーを配置した2LDKに変更。シューズクロークも確保した。水廻りは床上近くに開いていたエアコンのスリーブを使い、ベランダ側に給湯器を新設したのも特徴。山小屋風の玄関やハンモックフックを設置したリビングのほか、ベランダから明石海峡大橋などの景色を望める点もアピール材料とした。プロデュースを担当した「空地空家の相談窓口」代表の森下政人氏(リーフクリエーション代表取締役)は、「リノベーションは住む人にワクワクするライフスタイルを提案することができる。本プロジェクトでは、あえて山好きユーザーに特化したライフスタイル提案にこだわった」と話す。賃料は周辺相場より1万円ほど高い設定という。

 なお、同窓口へは「再建築不可の物件をどうしたらいいか」や「相続したが、何から始めたらいいか分からない」などの相談が多いという。JKASは、全国に約70店舗を展開する強みを生かし、従来では流通の難しい物件の再生、空き家問題の解決に寄与していきたいとしている。