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彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇65 ライフスタイル考 心はずむ5つの約束 賃貸だからできるものづくり

 不動産業界が何気なく、結構頻繁に使う言葉に「ライフスタイル」がある。「賃貸住宅はその時々のライフスタイルに応じて気軽に住み替えることができる」とか、「近年、若者のライフスタイルに変化が見られる。それは……」といったふうに。

 ただ、この二つの例を見てもわかるように、ライフスタイルという言葉の使われ方は幅が広い。前者のように単に「生活形態」といった意味でも使われるし、後者のように「生きていく上での価値観」といった意味合いが加わることもある。「ライフスタイル」という言葉がもつ最も奥深いところは「世界や自分の人生にどういう〝意味付け〟を行うか」ということである。まさに、自分の命(ライフ)をどう使うかという覚悟をしめす言葉ともいえるだろう。

 「人生に意味なんかない」という人もいるかもしれないが、生まれてしまった以上は生きていくしかないのが人間だ。生きていく以上はそこになんらかの意味付けが必要になる。だから、「人生に意味なんかない」と思いながら生きていくのも一つのライフスタイルではあるが、それは幸福な人生といえるだろうか。

〝ハビオ〟100棟記念

 三菱地所レジデンスは10月12日、「ザ・パークハビオSOHO代々木公園」の完成内覧会を開いた。高品質の賃貸マンション「ザ・パークハビオ」シリーズにコワーキングスペースを併設することで、より豊かで快適なライフスタイルを提案する職住一体型賃貸マンションである。同シリーズは今回がちょうど100棟目で、SOHOスタイルは2棟目となる。

 同社はハビオシリーズ100棟を記念して「ザ・パークハビオ」のブランドスローガンを一新、「その瞬間に、心がはずむ。」とした。洗練されたコワーキングスペース(スタイルラウンジ)で仕事に集中しているとき、少し早起きをして代々木公園を散策しているとき、管理人と気持ちよくあいさつを交わすとき、帰宅してエントランスの灯りに迎えられるときなど、ここに暮らす一瞬一瞬が心はずむものであってほしいという想いを込めた。

 開放感あふれる屋上テラスも素晴らしい。リゾート地での〝ワーケーション〟とまではいかなくても、昼は明るい日差しのもと植物や風の香りに包まれながらルーフテラスで仕事をし、日が暮れれば、都会のはかなげな姿が薄闇の中に遠景となって浮かび上がる。「心がはずむ」とは、心が生き返ることでもある。仕事上の新たな着想を得たり、ちょっとした気付きに生きる勇気をもらう暮らしが東京の都心でも実現する。

 真に「心がはずむ住まい」とするために、ハビオに携わるスタッフが守るべき5つの約束が定められている。その一つが、「賃貸だからと諦めるのではなく、賃貸だからこそ妥協せず、ものづくりに本気でいよう」という自分との約束。賃貸が分譲と異なる大きな点は、住み始めてからが事業者と住み手との本当の交流が始まるということである。だから、「住まう方を家族のように、ハビオを我が子のように大切にしよう」とメンバー同士の約束もある。そのために、「お客様の声を聴き続け、一歩先のライフスタイルを想像しよう」というのが住み手との約束である。

 住宅事業の核心は住まいの造り手と住まい手との約束にある。ちなみに4つ目の約束が「ハビオで、その街の魅力を高める」という街との約束。5つ目には「未来に喜ばれるものづくりをしよう」という未来への約束も。ライフスタイルという言葉に「仕事への意味付け」が含まれるとすれば、この5つの約束事が〝チームハビオ〟のライフスタイルとなる。