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エレベーター閉じ込め最長6時間 千代田区、マンションの震災被害実態を調査 

 東京都千代田区の分譲マンションを対象に実施された「2011年東北地方太平洋沖地震に関する管理組合アンケート」によると、同調査に応じた73のマンションの約1割でエレベーターの閉じ込めが発生していたことが分かった。区のマンション施策を補完する財団法人まちみらい千代田では、「区の助成制度を活用し、地震時管制運転装置の設置を進めてほしい」と呼び掛けている。
 調査によると、地震発生後に約7割のエレベーターが停止。地震時管制運転装置が正常に作動した結果とみられるが、残りの3割ではエレベーターがそのまま動き続けたということになる。また、全体の約1割で閉じ込めが起きていたことが判明。閉じ込め時間が6時間に及んだケースもあった。
 地震動を感知後に最寄り階へ着床、乗員を降ろす仕組みの同装置は、2009年の建築基準法施行令の一部改正で新設のエレベーターへの設置が義務付けられたが、既存物件への導入は任意。閉じ込め防止の観点から設置の必要性を指摘する声は多い。
 アンケート調査は、筑波大学大学院システム情報工学研究科都市防災研究室と東京湾岸集合住宅ぼうさいネットワークが共同で実施した。