住宅・不動産市場研究会(代表・伊豆宏明海大学名誉教授)は2月21日、日本経済の成長率は、人口減少で世帯の消費需要が減少するため、供給能力ではプラス成長が可能にもかかわらず、2016年度以降はマイナスになるとの予測を発表した。ただ、老人ホームや高齢者住宅建設、リフォーム、空き家建て替えなどの工事額が増加すれば、0.2~0.5%程度のプラス成長にもっていくことも可能としている。
同研究会の予測では、GDPの成長率は12~15年度は平均0.2%でプラスだが、16~20年度は平均▼0.1%、20~25年度は平均▼0.2%、26~30年度は平均▼0.1%と、いずれもマイナスになるという。
ただ、老人ホームなど高齢者対応住宅の建設や、リフォーム工事などで総需要が最大限増加した場合にはプラス成長も可能となる。例えば、最大限の需要増加額が12~15年度平均で7兆1800億円だとGDP成長率は平均0.6%、16~20年度平均で11兆5100億円だとGDPは平均0.2%、20~25年度平均で23兆7700億円だと平均0.5%のプラス成長となる。最大限の需要とは、国などがリフォームや高齢者住宅、空き家対策工事などを増やす政策を取ることを前提にしたもの。このような政策が特に取られなかった場合には、工事費の増加額は減少するため、経済成長率は伸びてもプラスに転じることはないとしている。
問い合わせ先は電話・ファクス047(343)2391伊豆氏。