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不動産の業況、引き続き良好 ビル賃貸は5年半ぶりマイナス脱す 土地総研4月調査

 土地総合研究所は5月23日、4月1日時点で実施した不動産業業況等調査の結果をまとめた。住宅・宅地分譲業、不動産流通業<住宅地>とも5期連続のプラス水準となった。また、ビル賃貸業は0.0ポイントとなり、08年10月以来続いていたマイナス水準を脱した。三大都市圏と地方主要都市の分譲業47社、流通業73社、ビル賃貸業29社の計149社を対象に実施し、123社から回答を得た。
 4月現在の経営状況(指数)は、住宅・宅地分譲業は11.7(前期調査8.8)、不動産流通業<住宅地>が6.7(同9.1)と共にプラス水準を維持。ビル賃貸業は0.0(同マイナス12.0)となり、5年6カ月ぶりにマイナスから改善した。
 また、3カ月後の経営状況見通しは、住宅・宅地分譲がマイナス8.3(同0.0)、不動産流通業<住宅地>がマイナス3.7(同9.1)とそれぞれ「悪い」という予測が多くなった。ビル賃貸業は8.0(同4.0)とプラス幅を拡大した。
 住宅・宅地分譲業では、モデルルーム来場者数、用地取得件数が前回のマイナスからプラスに転換し、価格動向もプラス幅を拡大した。
 不動産流通業では、マンション、戸建て、土地のすべてで取引価格指数が5期連続でプラス水準にあり、取引価格が上昇傾向にあるとの見方が多い状況が継続している。ビル賃貸業では、空室の状況は減少傾向にあるとの見方が多いが、東京都ではそれが85.7%であるのに対し、東京都以外では35.7%にとどまった。成約賃料動向は前期比4.3ポイント上昇の4.3ポイントとなり、08年7月以来のプラス水準となった。