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YKK不、黒部市のパッシブタウン開発 北陸初の木造中高層集合住宅を着工

 YKK不動産(東京都千代田区、志水宏朗社長)は9月27日、富山県黒部市で開発を進めているパッシブタウン第5期街区を着工した。工期は25年3月までを予定。総事業費は約50億円。

 風や地下水などの自然エネルギーを活用した賃貸住宅や保育園などで構成する全6街区250戸の街づくり。開発の最終段階に当たる同街区では、敷地1万6278.33平方メートル延べ9420.15平方メートルの木造集合住宅(一部コンクリート造)の6~7階建て3棟を建設する。現代木造建築の世界的な第一人者の一人であるヘルマン・カウフマン氏が建築の基本計画・基本設計を担当する。施工は竹中工務店。北陸地域で初の木造中高層集合住宅とすることで、カーボンニュートラルの実現に挑む。

 第1~4街区で得た知見やデータに基づくパッシブデザインをベースに、水素エネルギー供給システム(Power to Gas)を実装すると共に、YKK APが自社開発した木製窓などを採用することで、住宅性能表示制度の最高等級7を上回るUA値(外皮平均熱貫流率)0.24を実現する。更に、約1450立方メートル(製材)の富山県産材の活用を計画している。

 これらの取り組みによって同街区は、国土交通省の「令和5年度優良木造建築物等整備推進事業」や「令和5年度(第1回)サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」、環境省の令和5年度二酸化炭素排出抑制対策事業等補助金 (脱炭素社会構築に向けた再エネ等由来水素活用推進事業)「再エネ等由来水素を活用した自立・分散型エネルギーシステム構築事業」に採択された。