不動産取引現場での意外な誤解 記事一覧
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不動産現場での意外な誤解 賃貸借編143 借主でも自由に中途解約ができない法的根拠は?
Q 建物賃貸借契約においては、貸主からの解約申し入れや更新拒絶には「正当事由」が必要とされていますが、借主からの解約申し入れや更新の拒絶は自由にできるのでしょうか。 A 自由にはできません。なぜなら(続く) -
不動産現場での意外な誤解 賃貸借編142 借地借家法26条1項の期間前に更新拒絶できる?
Q 前回、貸主から更新を拒絶する場合の事前通知の話が出ていましたが、この通知は、必ず期間満了の「1年前から6カ月前までの間」にしなければならないのでしょうか。例えば、「1年より前」にしたらどうなるのでし(続く) -
不動産現場での意外な誤解 賃貸借編141 自動更新条項があっても貸主は更新拒絶できる?
Q 建物賃貸借契約書に次のような3カ月前予告の自動更新条項が定められている場合、貸主から契約の更新を拒絶するにはどのようにしたらよいでしょうか。 「当事者が期間満了の3カ月前までに相手方に対し契約を更(続く) -
不動産現場での意外な誤解 売買編150 不動産の買取仲介における仮登記の移転とは?
Q 前回、二重売買を防止するための仮登記の例として、所有権移転請求権仮登記(2号仮登記)が取り上げられていましたが、その所有権移転請求権を移転する仮登記、あるいはその移転請求権を更に移転する請求権の仮登(続く) -
不動産現場での意外な誤解 売買編149 不動産売買で仮登記を付ける本当の意味は?
Q 前回、現行の取引慣行である「手付金・残金」という代金支払方法をとった場合には「手付金リスク」があるということでしたが、それは手付金を「解約手付」として授受するからですよね。 A その通りです。(続く) -
不動産現場での意外な誤解 売買編148 不動産売買での「手付金リスク」は防げるか?
Q 前回は「仮登記」についてのかなり専門的な話が出ましたが、仮登記というのは、そんなに簡単に登記できるのですか。 A 簡単というわけではありませんが、前回紹介した地面師事件においては、所有者の印鑑証(続く) -
不動産現場での意外な誤解 売買編147 仮登記がもつ順位保全の効力は悪用される?
Q 今日は、「仮登記」の話を伺いたいのですが。 A 何かありましたか。 Q 実は、以前に住宅新報が主催した地面師事件のセミナーで、地面師グループが「仮登記」を多用し買主を安心させる手口が紹介さ(続く) -
不動産現場での意外な誤解 売買編146 日本国憲法の施行に伴う応急措置法とは?
Q 所有者不明土地に関する所有者探しの問題点を追求していけばいくほど、新旧両民法の相続のしくみが重要になってくるわけですが、ここまでの説明でかなり分かったような気がします。 A 確かに、旧民法下にお(続く) -
不動産現場での意外な誤解 売買編145 旧民法下の遺産相続は新民法下の相続と同じ?
Q 以前のこの〔売買編〕のコーナーに、旧民法下においては、家督相続以外に「遺産相続」という制度があったと書いてありましたよね。 A その通りです。当時は、戸主以外の家族にも財産の特有が認められており(続く) -
不動産現場での意外な誤解 売買編144 胎児も家督相続人になれたのか?
Q 前回まで、旧民法時代の家督相続人の話をしていただきましたが、女性も家督相続人になれたというのには少し驚きました。 A 確かにそう思うかも知れませんが、それは、やはり当時は「家」の存続ということを(続く) -
不動産現場での意外な誤解 売買編143 家督相続は戸主の死亡以外にも生じるか?
Q 旧民法下の家督相続は、やはり戸主の死亡がその開始原因ですよね。 A そればかりではありませんが、戸主の死亡がその1つであることはその通りです(旧民法964条1号)。そして、その死亡には自然死亡のほか、失(続く) -
不動産現場での意外な誤解 売買編142 旧民法下の「家」はどのようにして設立されたか?
Q 前回は、旧民法下における「家」の制度の骨格部分についての話がありましたが、その家の制度と戸籍法との関係を知りたいのですが。 A 家の制度は、旧民法にその主要部分の規定があり、その家の制度を手続的(続く) -
不動産現場での意外な誤解 売買編141 旧民法時代の「家制度」とはどのような制度か
Q 以前の〔売買編〕の最後に、旧民法時代の「家」の制度がどのようなものであったかを知ることは、所有者不明土地における所有者の探索の上でも非常に重要だということが書かれてありました。 A その通りです(続く) -
不動産現場での意外な誤解 賃貸借編140 改正民法605条の3はどういう趣旨の規定か
Q 改正民法605条の3の「合意による不動産の賃貸人たる地位の移転」という見出しの規定は、その前の605条の2の「不動産の賃貸人たる地位の移転」という見出しの規定と関連があるように思えるのですが、条文だけを(続く) -
不動産現場での意外な誤解 賃貸借編138 貸ビルの購入者は滞納賃料の請求ができるか?
Q 前回、貸ビルの売買に伴う賃貸借契約の承継についての話がありましたが、そのビルの借主に賃料滞納者がいた場合、その滞納賃料債権が新所有者に引き継がれるのでしょうか。 A 当然には引き継がれません。(続く) -
不動産現場での意外な誤解 賃貸借編137 貸ビルの売却前の明け渡し合意は承継される?
Q 貸ビルの売買で案外多いのは、貸ビルが古いために建て替えが必要だということで、売主側が買主に対し、「入居者は、すでに次の契約更新時までに建物を明け渡すことを条件に賃料の減額に応じている」として、あ(続く) -
不動産現場での意外な誤解 賃貸借編136 店舗の借主が死亡したら契約はどうなるか?
Q 店舗の賃貸借で借主が死亡した場合、契約関係はどうなるのでしょうか。 A 借主が死亡したということは、個人ということですから、その店舗の賃借権は相続の対象になります。したがって、相続人が複数であれ(続く) -
不動産現場での意外な誤解 賃貸借編135 貸ビルの売買で既存の看板は撤去できるか?
Q 業務用ビルの賃貸仲介の常識として知っておきたいのですが、貸主には借主に対し、建物の外壁に看板を設置させる義務があるのでしょうか。 A 義務まではありませんが、借主からの要求があれば、ビルの品位を(続く) -
不動産現場での意外な誤解 賃貸借編134 商業ビルで途中の業種変更を禁止できるか?
Q 賃貸物件が商業ビルのような場合に、テナントの「目的外使用」ということで問題になることもあるのではないでしょうか。 A あります。建物の「目的外使用」については、複合ビルの場合に多く問題になります(続く) -
不動産現場での意外な誤解 賃貸借編133 大家が勝手に貸すと言ったが、断れるか?
Q 当社は、先日A業者から、大家が勝手に借主と次のようなやりとりをしてしまったために、契約の締結を断れずに困っているという相談を受けました。その理由は、仲介業者であるA業者の所に、既に先客が申込みをし(続く)