損害保険料率算出機構はこのほど、地震保険基準料率の変更に関する届出を金融庁に行った。
今回の届出では、将来的な地震発生に伴う損害の危険が増したことなどから、地震保険基準料率を全国平均で15.5%引き上げた。構造別に見た基準料率では、マンションなど耐火構造建築物の「イ構造」で、引き上げ上限の30%に達したエリアが23府県、29%アップが12道府県に上った。引き上げ率は、木造系の「ロ構造」よりも「イ構造」が高い結果となったが、地震の揺れが相対的に大きい低地にイ構造建築物が多いことが要因だ。
全般的な基準料率引き上げのなか、耐震性の高い建築物に対する保険割引率は拡大する。免震と耐震等級3の建築物の場合、現行30%の割引率を50%に拡大。耐震等級2については、現行20%を30%にする。
金融庁は、最長でも90日以内に新基準料率の適合性について判断を下す。その後、各損害保険会社は新たな基準を採用した地震保険商品を販売する。