不動産テック協会(東京都渋谷区)は、ビジネスマッチング部会を東京都内で開催し、オフィス運営業務をデジタル化する「オフィステック」をテーマに、不動産テック企業各社が自社の最新サービスを紹介した。
オフィス仲介業で、オフィス物件検索サイト運営のアットオフィス(東京都港区)取締役社長CEOの谷健太郎氏は、「これまでオフィスなどの物件情報は、借り手と貸し手の間で保有する情報に格差のある情報の非対称であった。しかし現在は、ITサービスで誰でもアクセスできるように情報のオープン化が進み始めている。その傾向は、取引市場を健全にする。外的環境は大きく変化しており、オフィスは単純な仕事の場ではなく、コミュニケーションを向上させる役割も持っている。スタートアップ企業などを中心として、オフィスのニーズは、契約期間やスペースの共有など、フレキシブルな柔軟性に変化してきた」と解説した。
家具と家電の定額制レンタルサービス提供のクラス(東京都目黒区)代表取締役社長の久保裕丈氏は、「GHG(温室効果ガス)の排出量の削減が注目され、家具や家電などの耐久消費財と環境問題の関わりに関心が高まっている。企業がオフィス家具などを所有せず、必要なモノを必要なタイミングでレンタルすることで、廃棄物の処理を減らせる。レンタルサービスは、家具や家電の選択に自由度が高まり、オフィス空間をアップデートしながら働きやすい環境を柔軟につくれるようになる。当社はデータに基づくレンタルサービスを提供しており、最適なオフィスインフラを提案でき、その新たな体験価値がDXにつながる」と解説した。
フレキシブルオフィスのマッチングプラットフォーム運営のキャリアインデックス(東京都港区)業務部長の稲吉修氏は、「フレキシブルオフィスは、賃借期間や活用するスペースを自由に設定でき、東京23区内だけで見ても、その床面積は合計で23・9万平方メートルに上り、市場は拡大傾向にある。シェアオフィス、レンタルオフィス、コワーキングスペース、仮想空間のバーチャルオフィスまで、形態も多様化しており、コロナ禍の終息後の今後も利用者が増え続けている傾向がある」と解説した。