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記者が解説 住宅新報web週刊ニュース記事(7月9日~7月15日)

Pick Up!

  • 単身世帯増でマンション需要に変化、1LDK分譲が好調
  • 首都圏の中古戸建て住宅価格が反転上昇
  • 大手ハウスメーカーがスタートアップへの投資等を加速

 1週間のランキング・トップ10から記者が気になる記事を3つピックアップしていきます。

 まずは、1位の「1LDK市場に脚光 多様化する単身世帯 50年には全世帯の44%に ターゲットは独身女性(2024/7/9号)」をご紹介します。世帯構成の変化を受け、分譲マンション市場では1LDKをはじめとした単身者向け物件の販売が好調に推移。大手ディベロッパーによる供給も拡大しています。メインターゲット層は独身女性で、自身の将来の世帯環境変化も見据えて、資産価値を重視する傾向も見られます。一方、配偶者を亡くした高齢者が購入するケースも多いなど、実需向け分譲市場は大きな変革期の最中であり、ニーズの変化に対応する意識が重要性を増している実態をまとめた記事となっています。

 次は、2位の「6月首都圏中古戸建て、前月比4%上昇の3928万円 東京カンテイ(2024/7/11配信)」です。前月のマイナスから一転、首都圏の中古戸建て住宅価格が前月比4.0%のプラスとなりました。住宅・非住宅を問わず、マーケット動向はコンスタントに読者人気を集めている分野ですが、今回は特に中古戸建て住宅の価格上昇関心を集めました。埼玉県では連続マイナスとなったものの、東京都、神奈川県、千葉県ではプラスであり、中古戸建てニーズの強さがうかがえる結果となっています。分譲マンションを筆頭に、新築物件の価格高騰で中古物件の需要が高まっているという要因に加え、「中古戸建て流通の活性化へ向けた官民の取り組みの効果が表れている」という見方もできるのではないでしょうか。

 最後に取り上げるのは、9位の「大手住宅 オープンイノベーション加速 アイデア取り込む仕組み構築 社内制度と両輪で人材育成も(2024/7/9号)」です。ハウスメーカーの雄、積水ハウスと大和ハウス工業のオープンイノベーション関連の取り組みを紹介した記事です。スタートアップへの支援と協業促進へ向け、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を通じた投資のほか、新会社・新施設の設立といった動きを積極化すると共に、社内でのイノベーション提案表彰も実施しています。大手ディベロッパー等でも同様の動きは見られますが、国内住宅市場の縮小が見込まれる中、時流に即した新事業の創出・収益化に向けた各社の取り組みは、今後も活発化していくことが予想されます。

 

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アクセスランキングトップ10 (7月9日~7月15日)