Pick Up!
- 旭化成Hが「GX志向型」「LCCO2ネットゼロ」の戸建て新商品
- オリコン満足度調査が「賃貸マンション」部門新設、総合首位はへーベルメゾン
- 一定期間居住で住宅無償譲渡制度、茨城県境町が第4弾
1週間のランキング・トップ10から記者が気になる記事を3つピックアップしていきます。
初めに、紙面記事としては唯一のランクインとなった10位の「旭化成ホームズ、GX志向型新商品で訴求 ライフサイクルでCO2収支ゼロへ 自社の再エネ循環システムを活用(2025/9/9号)」をご紹介します。省・創・蓄エネ性能を備えた、同社の戸建て住宅新商品「アーステクト」の詳細を解説した記事です。ZEH水準を上回る環境性能基準として、国が24年度に創設した「GX志向型住宅」相当の仕様となっている点が大きなポイントです。つまり、光熱費の削減によるランニングコスト削減に加え、「子育てグリーン住宅支援事業」など国の補助制度を活用しやすいため、イニシャルコストの面でも有利な性能となっています。更に、同社の再生可能エネルギー循環システムを活用し、建設段階から解体時に至るまでの〝建物の一生〟を通じた脱炭素化を図る「ライフサイクルカーボンニュートラル(LCCO2ネットゼロ)」に対応している点も特徴です。国は近年、建築物のLCCO2削減に本腰を入れており、その対応の重要度は今後一層高まっていくものと考えられます。そのため今回の新商品は、直接的な経済合理性だけでなく、将来的な制度改正等への対応力と、資産価値の維持も見据えた企画と言えるでしょう。
次は、2位の「オリコン顧客満足度調査、賃貸マンション総合1位『へーベルメゾン』(2025/9/11配信)」です。ユーザーランキング調査としてよく知られる「オリコン顧客満足度ランキング」ですが、その住宅関連分野の一つとして、今回新たに「賃貸マンション」部門の調査を開始。第1回の総合首位には、旭化成ホームズグループが展開する「へーベルメゾン」が選ばれたというニュースです。「へーベルメゾン」は評価項目においても全9項目で1位となっており、広く高評価を集めました。同部門では1位に続いて、積水ハウス「シャーメゾン」、大東建託「DK SELECT」、大和ハウス工業「D-ROOM」、レオパレス21「レオパレス」がそれぞれ総合2~5位にランクイン。業界大手の主力商品が、居住者にも広く評価されている様子が見られました。他方、回答者の属性別で見ると、やはり「へーベルメゾン」が複数1位を獲得しているものの、例えば地域別の「近畿」1位は「D-ROOM」、世帯別の「子育て世帯」1位は「シャーメゾン」と、傾向に差がある点も興味深いところです。なお、「オリコン顧客満足度ランキング」ホームページでは、住宅関連分野として、今回の「賃貸マンション」を含め計27部門が掲載されています。
最後に、今回1位だった「25年住み続けると戸建て住宅33棟を『無償譲渡』 茨城県境町(2025/9/9配信)」を取り上げます。移住政策として、「一定期間居住で住宅や土地を無償譲渡する」という取り組みは全国の様々な自治体が行っており、当記事では茨城県境町の新規募集を紹介しました。今回の戸建て住宅第4弾では33棟を整備し、賃貸住宅として25年間居住し続けた場合に、土地と建物を無償譲渡するという仕組み。同様の取り組みは宮城県七ヶ宿町や島根県飯南町などが行っているほか、北海道雄武町や島根県雲南市などは同様の条件で宅地を無償譲渡しており、いずれも移住・定住促進策として一定の効果を挙げている模様です。特に境町の制度は、前回は21棟に対して約12倍の256件の応募があるなど人気が高く、当記事も注目を集めた様子です。
なお、当記事の補足として、見出しでは「境町」、本文では「堺町」と記載していますが、正しい表記は「境町」です。また、新設する33棟の内訳として、本文中では「同町長田地区の西泉田で24棟、同町境地区の住吉町で5棟、本船町で2棟の計33棟」と記載していますが、正しくは、これら31棟に「同町境地区の松岡町で2棟」を加えて計33棟となります。このほか、見出しでは「戸建て住宅33棟を『無償譲渡』」とありますが、実際に無償譲渡の対象となるのは居住していた当該住宅1棟のみとなっています。