売買仲介

カーサ 21年1月中間期は増収減益 「家主ダイレクト」が伸長 付加価値戦略で拡販へ

 家賃保証事業のCasa(カーサ、宮地正剛社長)は9月16日、21年1月中間期の決算説明会を開いた。新型コロナ感染症の影響を受けて、売上高50億2100万円(前年同期比8.2%増)、営業利益3億6800万円(同48.1%減)、純利益2億3100万円(同50.2%減)の増収減益となった。

 感染症の影響で家賃の滞納せざるを得なくなった顧客に対しては、公的支援制度の案内を優先し、支払猶予に応じるなど、顧客の状況に応じたサポートに注力すると共に、営業時間短縮や電話受付の休止、一部テレワーク導入等の対応を進めた。申し込み件数が一時的に落ち込んだものの、代理店数の増加(前年同期比10.3%増)や家賃債務保証サービスに対する需要の高まりから新規契約件数(初回保証料)は7万5659件(同9.4%増)と堅調に推移。不動産オーナーの自主管理をサポートする主力商品の「家主ダイレクト」の新規契約件数は2万2827件(同74.5%増)と好調に推移した。既存契約からの年間保証料の増加もあり、売上高は前年同期比を上回った。他方、求償債権の増加により、貸倒引当金繰入額が13億500万円(同40.0%増)となった。

 同社では、緊急事態宣言解除後の経済活動の再開や公的支援制度の影響もあり、回復基調に転じていると受け止める。下期は「家主ダイレクト」のバージョンアップを図り、拡販していく狙い。取引先の規模に応じて、信用情報を活用したOEM商品「ダイレクトS」やサブスクリプション型の「Smart with」など新サービスの提供を推進していく。宮地社長は「売上高は順調。コロナ禍での回収体制が好転すると共に、社内のオペレーションコストの削減も進む見込み」と述べた。

 更に、コロナ対策として損保ジャパンと共同開発するテナント向け家賃債務保証サービスや、オーナー向け家賃シミュレーターなどを推進し、不動産管理をテクノロジーで簡略化していく構想だ。