不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜 記事一覧
不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜
賃貸業を営む坂口有吉さんが業務に役立つヒントをちりばめながら日常の出来事を綴ります。
人情深い坂口さんは、不動産業者に対する世間の評価が不当に低いこと受け、「日々の努力も知ってほしい」と、そんな願いを込めています。
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8年ぶりに見かけた悪質滞納者、転落の一途?今も滞納?
駅前の銀行に行った帰りに、ビックカメラの前を歩いていたら、見覚えのある顔を偶然見かけた。「忘れもしねぇ」8年前まで当社の管理物件に入っていた男で、家賃を半年も滞納していて、再三の督促にも応じず、(続く) -
卒業まで完遂した2人の女子大生、ルームシェアは難しい
景気が悪くなって久しいが、うちあたりの店にも同業者さんから「ルームシェアは可能でしょうか?」との問い合わせがよく入るようになった。賃貸仲介をするようになって20年余り、その間に何組かルームシェア(続く) -
更新料を払いたくない理由が間違い 自分に都合よく解釈
当社の管理物件に入居していたお客さんから相談のメールがあった。その内容は私からすれば「おいおい」というもので、不快で気が重かった。 その相談内容は、「今借りている部屋がもうすぐ更新なんですが(続く) -
家賃滞納者から浴びた暴言、アパート経営は慈善事業?
これは多摩郊外の貸家に入居していた年配夫婦のお話。 旦那はエアコンの販売工事の会社を経営していたが経営は苦しく、入居後しばらくして家賃が滞り始める。当初は穏やかに督促していたが、支払いの約束(続く) -
借り手市場でも譲れないこと「自分の得しか考えない」
当社の管理物件で、たまたま2階の部屋を3室ほぼ同時に募集することになった物件がある。広さは2DKで家賃は3室とも7万2000円。まあ、真ん中の部屋は7万でもいいのだが7万2000円でも安い。そこ(続く) -
「敷金清算で退去者を黙らせる方法」評価してくれる相手を好む
多摩郊外のアパートに新築の時から入居していた夫婦が退去することになった。夫婦といっても入居時の奥さんとは離婚していて、今の奥さんとは再婚である。先妻との間には子供がいて、ご主人が引き取っているから、(続く) -
「退去者の残置エアコンを巡って」いいとこ取りは許されない
これからのシーズン、特にワンルームの契約時に時おり発生する問題がある。 前の入居者がまだまだ使える比較的新しいエアコンを残していきたいと希望するケースがよくある。たいていの場合は「買い取りを請求する(続く) -
「不動産」より怖い職種、「最も審査を通したくない」
不動産賃貸の仕事をしていると、実にいろんな職種の人を相手にするものだが、私からすれば今後、絶対に審査を通したくない職種がある。 最近は見かけなくなったが、以前は広告に「水商売不可」と最初からうたって(続く) -
「許容範囲の個人差大きい」騒音問題の解決は難しい
近隣から入居者の出す騒音でクレームが入ることがある。簡単に注意するだけで気をつけてくれて解決するケースもあるが、多くの場合、一度や二度の注意で解決することはない。以前の記事でも書いているが、音に対す(続く) -
人を見抜く目を持つ職業、「判断誤れば死活問題」
あくまで私見だが、人を見る目が最も優れている職業は、街の高利貸しと技量に差はあるものだろうが企業の面接官だと思う。 就職難で、いくら学生たちが就活セミナーを受け、付け刃でそつなく受け答えをしたとして(続く) -
退去した高齢女性との長い付き合い、善行悪行の帳尻合わせ
7年ほど前、当社の管理物件に申し込みが入った。内容はデパート勤務の娘さんと母親での2人入居。審査の上では特に問題は無かったが、不安要素が一つだけあった。 まだ30代の娘さんが病気を持っていたのだ。病(続く) -
裁量持たずに立ち退き交渉、「譲歩しない家主」に不満
数年前、ある家主から、建て替えによる入居者の立ち退き交渉を依頼された。私にとってはそれが実に不愉快なものになった。以下はその顛末である。 建物は2世帯の連棟式テラスハウスで、片方は家主一家が片方は賃(続く) -
信用した同郷の後輩が家賃滞納 「入居審査に私情は禁物」
「審査に私情を挟むのは禁物だった」と言っても、好みのタイプの女性客の審査を甘くした、という話ではない。 店番をしていると、30歳前後の女性が来店した。「夫婦と子供2人、それにペットの犬がいるんだけど(続く) -
逆恨みした滞納者のその後 生活困窮、明日はわが身
欠かさず見ているテレビドラマ「相棒」で、身につまされるストーリーがあった。12月15日に放送されたもので、転落死した若い男が、最終的には自殺であった、という、今までの刑事モノとは一線を画した風変わり(続く) -
貸家並みのワンルーム賃料、不審生む賃料ギャップ
もう、ずいぶんと昔の話、私がこの業界に入りたての頃、青森から一橋大学に現役合格を果たした娘さんが来店した。都会の有名進学校から、ということなら珍しくもないが、地方の高校から一橋大学に現役で受かる、と(続く) -
入居者募集のADはやめるべき、負担するのはいつも借主
最近賃貸の広告を見ていると、よく「AD(担当者報奨金)1カ月」とか「AD50%」とかうたっているが、それは営業担当が喜ぶだけで、業界にとっては全く好ましいことではない、と思う。 いつの頃からか仲介料(続く) -
孤独なお婆ちゃんの危うい老後、買い替え続け資産は半分
小料理屋を営む70歳近いお婆ちゃんから、「マンションを売りたいから査定して欲しい」という依頼があった。 お婆ちゃんは未亡人で、現金で購入した新築未入居の広い3LDKに1人で暮らしていた。その部屋はマ(続く) -
「散らかす男性と汚す女性」入居者限定せずが正解
ある家主さんから「新築するアパートを、男性か女性のどちらかに限定して貸すことにしたい」との相談を受けた。 アパートはワンルーム6室という規模で、家主さんは「男と女の、どちらでも可にすると風紀が乱れる(続く) -
「原状回復費を踏み倒す親子」敷金返さずも被害は甚大
多摩郊外のアパートに、離婚したばかりの若い母親と男児、つまり母子家庭が入居することになった。元々がアパートの近所に実家があり、家主さんもよくご存知ということもあって、入居時の審査も簡単に通したのだが(続く) -
賃貸居住安定化法案は偏向法「善良な家主守る法案も」
日本の法律は、どうしてこうも人権に過敏に反応するのか。しかも、本当の弱者が誰なのか、最初から観点が狂っているように思う。今後、施行される見込みの「賃貸住宅居住安定法」(仮称)のことである。こんな法律(続く)