不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜 記事一覧
不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜
賃貸業を営む坂口有吉さんが業務に役立つヒントをちりばめながら日常の出来事を綴ります。
人情深い坂口さんは、不動産業者に対する世間の評価が不当に低いこと受け、「日々の努力も知ってほしい」と、そんな願いを込めています。
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もう一つの別の形態の保証協会 安全なのは胴元だけ
しばらく前に、強引な取り立てと追い出しで一部の保証会社が社会問題になったが、それとは全く別の形態の保証会社があったのをご存知だろうか。 周知の通り、現在の保証会社は言わば保険会社のようなもので、入居(続く) -
「呆れた家主はナンと弁護士」法律より一般常識が優先
これは、今から20年前の話。私が勤めていた不動産会社の募集物件に申し込みが入った。物件は多摩郊外のワンルームで、地方から部屋探しに来ていた娘さんが借りてくれることになり、一度郷里に戻り、数日後に契約(続く) -
ある老婦人の寂しいお話「実害なくも同情もせず」
当社の空室募集に、ある老婦人から申し込みが入った。物件は事務所使用可の2DKの部屋で、申し込みに来店した時、取ったばかりの会社謄本も持参していた。本人の話と謄本の内容から、奥多摩街道沿いで中古車販売(続く) -
LPガス業者からの営業電話「リスク高い魅力的な提案」
店番をしていたら、あるLPガス業者から電話が入った。「御社で管理しているアパートで現在プロパンをお使いの物件はありますでしょうか?」と聞く。「もちろんありますが」と答えると、「でしたら私どもからご提(続く) -
引っ越し業者が起こしたトラブル「敷金精算に口を挟むな」
多摩郊外にある貸家の入居者から退去の連絡があった。事情があって入居期間はたった2カ月だったのだが、その電話でこんな相談を受けた。 「引っ越してきた時、引っ越し業者が冷蔵庫を搬入しようとして引きずった(続く) -
ある留学生が体験した苦難「行き過ぎた審査に不信」
これは、当社管理物件の家主さんから聞いた話だ。 家主さんは、某国立大学の学生課にパートで勤めている。そこに東南アジアからの留学生が相談にやって来た。大学と提携している不動産会社の紹介でアパートを申し(続く) -
私が別れを勧めたカップル、初対面でも見える顧客の本質
長く営業をしていると、初めて会って直ぐお客さんの本質が見えてしまうことがある。若いカップルが部屋探しで来店したのだが、彼女はファッョン雑誌から抜け出したくらいの相当な美人で、彼氏のほうは凄く地味なタ(続く) -
水商売の見極め方「良い客は逃したくない」
不動産賃貸の空室募集の広告で、よく「水商売不可」という言葉を見かける。 職業が水商売の人には貸しません、という断りが最初からされているワケで、これは言うまでもなく、生活がだらしなかったり、金銭感覚が(続く) -
今時、珍しい立派な若奥様、滞納は完済、資金返還も辞退
当社の管理物件に若い夫婦が入居していた。旦那さんは地元の工場に勤務していたが、欠勤や遅刻も多く、入居してしばらくすると家賃の滞納が始まった。家主さんからの督促の依頼を受け、勤務先に電話すると本人は欠(続く)