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記者が解説 住宅新報web週刊ニュース記事(5月28日~6月3日)

・本紙調査 2023年度通期 売買仲介実績

・不動産投資額、東京が世界1位

・首都圏中古マンション価格、下落率拡大

 1週間のランキング・トップ10から記者が気になる記事を3つピックアップします。まずは1位の「本紙調査 2023年度通期 売買仲介実績 高単価が手数料収入に寄与 猛追する東急、三井の牙城を崩せず(2024/5/28号)」です。毎年実施している調査で、今回のアンケート結果からは、総じて売買仲介市場が好調に推移していることが分かりました。

 ただ、大都市部と郊外・地方では事業環境の違いも浮き彫りとしました。好調を維持している仲介大手は、都心部での需要取り込みが大きく手数料収入を伸ばしている要因です。地方を地盤とする仲介会社も、その地方都市での需要をどれだけ取り込めているかで明暗を分けました。2024年度の中古住宅市場は、引き続き底堅いと見られますが、格差も広がりを見せそうです。

 次は、5位の「JLL調査、不動産投資額2023年1~3月期、東京が世界1位(2024/5/29配信)」です。東京に投資マネーの流入が続いていることがうかがえます。米国や欧州は、インフレ退治で利上げを急いだことで金利高になっている半面、日本はマイナス金利が解除されたとはいえ、世界水準でみれば低金利が続いています。資金調達のしやすさに加えて、投資対象の主力であるオフィスビル市場が欧米とは違いコロナ前の水準に戻りつつあり、安定した不動産市況が評価を受けていると考えられます。

 3つ目は9位の「首都圏中古マンション価格は4606万円、下落率拡大 東京カンテイ(2024/5/24配信)」になります。東京都心の中古マンションの億ション化は、一般的な家庭にとって住宅購入が高根の花であることの象徴的な現象になっています。引き続き都市区部とその周辺では、高水準の価格で推移すると見られますが、周辺3県でさすがに価格調整局面のタイミングに来ているようです。レインズデータでは、在庫件数の増加が止まりません。その在庫増の要因は、郊外の物件が押し上げているとされます。今後の住宅ローン金利の動向とともに目が離せない状況が続きそうです。

 

 

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