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大言小語 「原点」とは

 〝賢い消費者〟が増えている昨今、単なる物件紹介の営業だけだと契約は取りにくい。そんな中、「私に売れない物件はない」の決めゼリフで、住宅営業の〝極意〟を伝えるドラマが放映中だ。

 ▼クライアントに対して住まい方、生活の仕方、更には生き方にまで踏み込んだ提案をする主人公。クライアント自身に〝暮らすとは何か〟を気付かせ、契約へと導く。理想といえる営業手法だが、〝気付き〟は人に感動を与えるものだ。営業とは何かの〝原点〟を思い起こさせてくれる。「あなただから、この物件を買った」。営業担当として、一度はかけてもらいたい言葉だろう。

 ▼またこのドラマでは、往年の営業マンには懐かしい「ガムテープ巻き」「サンドイッチマン」も登場する。営業成績の悪い社員に〝カツ〟を入れるものだが、数字への厳しさは、当然だが営業の原点。根性論にはなるが、その厳しさを自覚させる教育の一環だ。

 ▼ちなみに若い頃、販売代理会社で住宅営業経験のある小生。成績の悪い月末は、自発的に「ガムテープ」を志願し、一心不乱に電話営業したものだ。嫌々ながらではなく、本気で数字を上げると意気込んだ上での「ガムテープ」のときは、不思議と結果が出た。

 ▼「本気で頑張れば、微笑む神様がいる」。とても辛い経験だったと記憶しているが、その頃の体験が、今の私の基礎を形づくってくれているのも事実だ。