不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜 記事一覧
不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜
賃貸業を営む坂口有吉さんが業務に役立つヒントをちりばめながら日常の出来事を綴ります。
人情深い坂口さんは、不動産業者に対する世間の評価が不当に低いこと受け、「日々の努力も知ってほしい」と、そんな願いを込めています。
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紙上ブログ不動産屋の独り言460 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 見慣れぬDMに驚き AD、ここまで上昇か
都内の業者からDMが届いた。見慣れない会社からの郵便物で、内容は賃貸の入居者募集の広告。賃貸の広告がFAXで流れてくることは多いが、郵便で届くのは珍しい。一応目を通しておくかと見てみたら、広告の下部にはA(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言459 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 同業者のルール違反 家主に直取引持ち掛けて
当社の管理マンションでこんな不愉快な出来事があった。家主さんはとてもしっかりした方。近隣相場と比較して強気の家賃設定と思われたが、家主さんは「それでいいと仰ってくれるお客様が現れるまで気長に待ちます(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言458 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 自分の現状を理解していない客(3) 事前の解決案で徒労防ぐ
私が「やはり今からの内見はやめましょう」と言うと、例の男性客は露骨に不満そうな表情を浮かべ、「暗くてもスマホが懐中電灯になるから大丈夫」と答える。私は「そういうことではありません。不動産会社の立場か(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言457 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 自分の現状を理解していない客(2) 渋々、条件を譲歩したが…
前回に続き、閉店間際の飛び込み客の話。「1階でなければ」とこだわっているが、2階であればそれ以外の条件にぴったり合う物件が当社の管理物件の中で空いていた。家主さんも相談に乗ってくれそうなので紹介すると(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言456 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 自分の現状を理解していない客(1) 審査落ちても、ない物ねだり
そろそろ店を閉めて帰ろうか、と思っていた時間になって飛び込みで男性客がやってきた。年齢は32歳とのことで、見た目からはどこか異様な雰囲気が漂う。だが、お客さんではあるから、むげには扱えない。ほどなく彼(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言455 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 住人の同僚から電話 管理物件でまさかの孤独死か
ある日曜日の午後、いつものように店番をしていたら携帯が鳴った。見ると、知らない番号からだった。電話に出ると、「すみません、そちらの管理物件を借りているMさんと連絡がとれないんです。今日、皆で会う約束(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言454 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 15年ぶりに会った青年のその後 景気のいい言葉は偽りか
以前記事にしたロシア人の母親と日本人の父親から生まれた青年の話。歌舞伎町のホストクラブで「月収1000万円を稼ぎ貯金も1億円ある」とのこと。子供の頃からの変貌ぶりに驚いていたが、とにかく金遣いが荒く、通(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言453 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 水道局から連絡、管理物件の点検へ 家主の利益に反してしまったが… 無茶な要望 肝心の連絡なし
東京都の水道局から検針を依頼された業者から問い合わせが入った。「そちらで管理されている貸家の水道メーターが空き家になって以降16立方メートルも回っているのですが、心当たりはありませんか」と言う。もしか(続く) -
男性2人のルームシェア 遅れる家賃、毎月立て替えて 紙上ブログ 不動産屋の独り言 452 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉
先日、私がドクダミの駆除に行ったアパートで、こんなことがあった。 場所はアパート1階の奥の部屋。2DKで南に面して洋室と和室が並んでいて、和室のほうはシャッターが下りていたが、洋室のほうはカーテンが開(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言451 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 あるアパートのドクダミ駆除 管理25年の信頼に応えたい
私の店舗近くにあるアパートの草取りと除草剤散布に行ってきた。そのアパートの家主は日頃から管理会社の苦労というものをよく分かっていて、何かと気遣いしてくれるため、手間賃も除草剤の実費も頂くつもりはない(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言450 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 うちは「訳あり専門」業者なのか 高難度の条件で依頼され
店番をしていたらドアをノックする音がした。入ってくる気配がない。貼り紙で顔が隠れていて誰か分からなかったが、ある家主の友達だった。その家主は私にとっては思い出すのも嫌なため疎遠になっている。だが、ど(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 449 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 この営業妨害は損害賠償ものか 内見客を一喝、契約台無しに
当社で入居者を募集していた貸家を同業者が案内してくれて申し込みが入ることになった。貸家は連棟式で、隣には生活保護を受ける高齢男性が入居している。このブログでも書いた、「トイレが詰まり、あふれちゃって(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言448 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 定休確認をミス、内見案内できず ほんの少し配慮があれば…
都内の業者が管理・募集している物件を案内することになった。日曜日に物件の内見をするため内見依頼書を金曜日にFAXで送付すると、「現在はまだ入居中です。翌日の土曜日に退去しますので、その際に現地に鍵をセ(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 447 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 お客さんからの難儀な相談 懲りない人に言葉は届かない
当社で以前に部屋を紹介した60代の女性から相談を受けた。電話の様子ではかなり深刻な話のようだ。電話の翌日には当社に来るという。名前を聞いても顔が浮かばなかったのだが、来店した顔を見て、「ああ、あの時の(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言446 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 15年ぶりに会った子供 あまりの変貌ぶりにため息
外出中に携帯電話が鳴った。「何時頃、店に戻りますか」と話す言葉遣いがどこかおかしい。きちんとした日本語のイントネーションではないような気がする。「15分ほどで戻りますので、よろしければその頃お越しくだ(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言445 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 別れても思い合う二人 すれ違い、なかなか埋まらず
以前、大震災の直後に更新契約に来た70歳くらいの男性Aさんについて書いたことがある。離婚した後に起きた地震で「地震を異常に怖がる奥様(Bさん)」を気遣っていた話だが、その続編だ。先日、更新契約に来た際もA(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言444 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 ハートのない家主の対応 関係者無視では付き合えない
当社で管理している古い貸家がある。貸家といっても6畳と4畳半の和室がつながった2K。キッチンは狭いから食器棚と冷蔵庫を置いたら流し台の前に立つのがやっとという狭さだ。庭は広くて車も駐車できるが、相場より(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言443 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 意外だった値下げ交渉 長期経営は家主の手腕
当社で新築の時から30年近く管理しているマンションがある。築30年ではあるが、定期的にしっかりメンテナンスがされているため、築年数から想像されるような劣化は見られない。家主さんも、賃貸業が何たるかをよく(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言442 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 受験の春、憂鬱は不動産会社も 身勝手な客に本音言いたい
普段仲良くしている同業者から、今年、某一流国立大学を受験する高校生とその親から当社の入居者募集物件に申し込みをしたいとの連絡があった。ただし、条件付きで、落ちたらキャンセルする、とのこと。つまり、「(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言441 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 生活保護受給者からの相談 子の入院、支払遅れを心配して
多摩郊外のアパートに母子家庭の生活保護受給者が入居していて、先日、相談の電話があった。お子さんが昨年の暮れから入院していたそうで、「入院や施設への入所が3カ月続くと障害者手当がいったん打ち切られてし(続く)