不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜 記事一覧
不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜
賃貸業を営む坂口有吉さんが業務に役立つヒントをちりばめながら日常の出来事を綴ります。
人情深い坂口さんは、不動産業者に対する世間の評価が不当に低いこと受け、「日々の努力も知ってほしい」と、そんな願いを込めています。
-
紙上ブログ 不動産屋の独り言 511 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 私の、ある形見分け 〝旧来の仲〟と約束結ぶ
3歳の頃からお母さんと一緒に毎年当社に来ていた娘さん(Mちゃん)がいる。どうして毎年かというと、同じアパートの2DKの部屋を2部屋、1年ずれて契約していて、その更新のためだ。それにしても、不動産会社になんか(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 510 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 お客様を叱りつけた話 倉庫代わりと言われて…
この業界に入って30年、いくら理不尽なトラブルに見舞われても、今までお客様に面と向かって「馬鹿やろう」と言ったことはない。だが、今回の相手、70代半ばの老婦人は例外だ。もっとも、私から叱られて怒ったかと(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 509 申し込みに至らず安堵した話 事前の了解、大丈夫?
立川市内では格安と思えるマンションで入居者を募集していた。1階ではあるが、3DKで家賃6万円。しかも南に面した専用の庭が広いから日当たりも抜群である。お風呂は全自動で、トイレは新品の温水洗浄便座。収納も(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 508 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 細かすぎる交渉はしないほうがいい(2) 安目を売ってはいけない
前回のあまりにも細かい交渉をしてくる入居者の話の続き。即日入居物件ながら、日割りの希望や度重なる延期の要求があったため、私は「家主さんもいろいろ譲歩してくださっているので、あまり細かく要求しないほう(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 507 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 細かすぎる交渉はしないほうがいい(1) 譲歩する家主へ配慮なく
長く空いていた物件に申し込みが入ってきた。それはありがたいのだが、首をかしげたくなる交渉もいくつかあった。一つは家賃。直前に5000円値下げしていて、相場的にもかなり安めの設定。ゆったりした2DKには収納(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 506 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 勇気を出して伝えた評判 未来ある同業者信じて
今年に入って、当社に来店したお客様3人から立て続けに近隣のある同業者への悪評を聞かされた。いずれも「あそこは感じが悪いから二度と行かない」というもの。私も付き合いがあって、思い当たる節がある。 愛(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 505 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 送信されてこない名刺FAX 横柄な同業者に不信感抱く
外出中に携帯への転送で電話が入った。同業者から当社の入居者募集広告への確認。「まだ空いていれば、今日これから案内をしたいのですが」と言う。「それではお名刺をFAXしておいて頂けますか。私はまだ1時間くら(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 504 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 高齢入居者の音信不通 契約古く、現状たどれず
私がお世話になっている家主さんが店舗を貸していて、もう80歳は過ぎている高齢の婦人がスナックをやっている。スナックを開業して30年も経つし、今まで家賃が遅れたことは一度もないのだが、今年に入ってからは家(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 503 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 つらい二度手間にも感謝なし 管理会社の立場を知って
多摩地区に古いワンルームのアパートがあって当社が管理している。その1階の真ん中の部屋に猫を2匹飼っていて、室内がゴミ屋敷になっていた入居者がいた。荷物やゴミを処分するように伝えて、本人の同意・立ち会い(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 502 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 生活保護者の入院と役所の対応 本人の了解は誰が取るか
私がこの仕事に従事した時から30年の付き合いになる入居者Sさん。一人暮らしの老婦人で、年齢は80歳を過ぎている。今は多摩地域の某市で生活保護を受けているのだが、先日、本人から電話があった。 手続きの依(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 501 気の利かし方に自己満足 代替案で〝四方よし〟
当社ともう一社で、一般媒介で空室募集をしているアパートがある。もう一社、と言っても、特にADとかも付けないし、風呂なしの激安物件なので、業者としてはあまりうれしい物件ではないだろうから、問い合わせもめ(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 500 クレーマー女性の契約更新 度を越す要求に振り回され
このブログでも記事にしている〝クレーマー老婦人〟が更新を迎えることになった。最近も「流し台の排水が詰まってしまった。こないだもオタクから連絡して見てもらったけれど、またすぐに詰まってしまって、あの時(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 499 家主さんからの面倒な依頼 着信履歴に驚かされて
電話が受けられない状況で携帯をマナーモードにしていたら何件かの着信記録があった。その中に(登録してある)立川警察の番号があった。 メッセージも残っているようだったので聞いてみることにしたのだが、正(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 498 万年家賃滞納者の更新(2) 改善を信じてラストチャンス
万年家賃滞納者の青年が、更新期日から半月遅れでやってきた。先日、「更新料は払えるが、来月分の家賃は待ってほしい」と言ってきたので、「不動産会社に常に立て替えさせるのは筋違い。連帯保証人の親に相談しな(続く) -
紙上ブログ 不動産の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 497 万年家賃滞納者の更新(1) 払えない理由も分からず
当社で家賃管理をしているアパートの入居者の話。毎月家賃が遅れて、入居してから4年間、ずっと半月は私の立て替えが発生している男性がいる。実際は男性2人でルームシェアしていて、2人とも上場企業の社員。ダブ(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 496 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 このお客さんを信じる(2) 失敗認める素直さが魅力
母親のほうは、離婚後に大麻での逮捕歴が3度あった。子供も3人いるが、父親はすべて違っている。だから悪いという訳ではないが、生活は乱れ切っていたのだろう。3人の子供は養護施設にいるとか。Tさんは「自分の子(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 495 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 このお客さんを信じる(1) 別れた子供に会おうとしたが…
6年前のこと、30代半ばの男性が来店した。明るい笑顔で、「駅から遠くても構いません。ワンルームか1Kの部屋を紹介してください」と言う。職業は鳶職とのことで本人は審査が通るか気にしていたが、「心配ありませ(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 494 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 ADの弊害を思う それは管理会社の仕事では?
最近は賃貸入居者の募集広告にADが付かないもののほうが少ない。「ADを付けているのだから、契約の手続きは客付業者がやってくれ」という管理会社もあるし、先日は客付業者に重要事項説明書を作らせるケースもあっ(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 493 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 身勝手な老婦人の頼みごと 相手の都合はお構いなしか…
数年前のことだ。入院中のSさんは私に電話してきて、「お宅に預けてある私の部屋の鍵をA商店の奥さんに届けてちょうだい。私の下着を届けてもらいたいから」と言ってきた。私は「まずその用件を相手が了解している(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言492 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 〝即入居可〟求める女性の電話 決まらないでよかったかも…
1月末、携帯に電話が入った。何となく線が細そうな若い女性の声。嫌な予感がし、少し警戒して話を聞くと、「ネットで見ているんですけど、昭島の7万円の貸家はすぐに入れますか」と言う。「はい、即入居可物件です(続く)