不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜 記事一覧
不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜
賃貸業を営む坂口有吉さんが業務に役立つヒントをちりばめながら日常の出来事を綴ります。
人情深い坂口さんは、不動産業者に対する世間の評価が不当に低いこと受け、「日々の努力も知ってほしい」と、そんな願いを込めています。
-
紙上ブログ 不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 532 死期を迎えたお客様 利他の気持ちで役立ちたい
以前、『国分寺市の社会福祉協議会の温かさ』として書いた入居者の男性Fさんのその後。市の包括支援センターのYさんから電話があり、「現在入院中ですが、あと1週間ほどでお亡くなりになるかもしれません」とのこ(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 530 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 手数料を出すか、出さないか 似た状況で分かれる対応
似たような状況で、「手数料を支払います」と言う業者と、「出せません」と言う業者がいた。前者は町場の小さな不動産会社、後者は大手の不動産会社だ。しかも、手数料を支払う、支払わない、というだけの差ではな(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 529 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 管理会社としての〝いい働き〟(2) 義理堅さが成果を生む
家主や他の入居者の説得よりも大問題。それは、なんとご主人がペットアレルギーなのだ。私が意地悪く「もしワンちゃんを取るかご主人を取るか、という決断を迫られたら、今の奥様はワンちゃんを取るでしょうね」と(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 528 管理会社としての〝いい働き〟(1) 『ペット不可』で飼育希望
当社の管理物件(全6世帯)に入居する若い夫婦の奥様から電話があった。「うちのアパートは『ペット不可』なのは承知しています。ただ、昨日、ショッピングモールでペットショップをのぞいたとき、ピンとくるワンち(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 527 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 当社史上最悪の家賃滞納者(3) 裁判後の心配は無用か
A氏の連帯保証人にも電話したが、連絡が付かない。以前はつながった番号だ。何かの事情で番号を変えたのだろう。入居者のA氏本人は知っていると思うが、聞いても教えないだろう。奥さんは良家の子女だったそうで、(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 526 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 当社史上最悪の家賃滞納者(2) 「信用せよ」と言われても
A夫婦の夫は90歳。昔は空手道場を経営していて、自身も有段者。著名な格闘家とも交流がある。背筋も伸びているし、見た目は紳士然としているから、その年齢でも不動産の営業は務まるのだろう。むしろ高額物件を扱(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 525 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 当社史上最悪の家賃滞納者(1) 同情が判断ミスを招いて
ただ〝最悪の入居者〟というだけなら、何人か該当する人がいる。もちろん、今までにも家賃を半年以上滞納している入居者なら常にいた。今もそういう滞納者が4人いる。しかし、当社にとって、そして家主さんにとっ(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 524 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 人柄のいい人は得をする 更新契約で賃料値下げ
更新契約で来店した女性の話。そのアパートは201号室が1年以上空いていて、その女性が住むのは203号室。共に角部屋だが、203号室が一番いい部屋。窓を開けたときの開放感と、公園が見える景色はこの部屋だけだ。と(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 523 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 人権研修に物申す(3) 誰が責任を取るのか
八王子での研修の講師は東京都整備局の課長だった。言わずと知れた「我々に業務停止や免許取り消しの処分を下す権限」を持っている役所である。だから恐れをなして、というのではなく、反論するのも馬鹿らしく思え(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 522 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 人権研修に物申す(2) 「日本人と同様に審査を」
最初に国交省不動産業課長名で協会に送られた「不動産業に関わる社会的責務に関する意識の向上について」という文書が協会経由で各会員業者にも送られてきた。そこから同じ内容で何度も人権に関する研修が開かれる(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 521 人権研修に物申す(1) 「国籍聞くな」と言われても
我々の協会が公益法人になって、協会主催の研修会に一般のお客様も参加するようになった。当然、業界の内輪の話も受講者に聞かれてしまうことになる。 そうなると、我々事業者が正しく理解できる話であっても(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 520 賃貸現場の喜怒哀楽 高齢女性の引っ越しで立て替え 入居後3年、やっと契約金もらう
今から10年前、以前からよく知っているお客さんの部屋探しをした。今も働いている人だが、それなりにお年を召している女性である。当社で管理していたマンションに入居していたのだが、その部屋が売りに出されたた(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 519 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 家主の心理は分かるがつらい 25年以上の信頼は別か
ある住宅メーカーの営業マンが、その会社で建てたアパートの家主宅を定期訪問していて、当社のことで、こんな話が出たと教えてくれた。「もう1年以上も決まらない部屋があるんで、管理会社を替えようかと思ってい(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 518 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 家主さんの心遣いに感謝して 妻にも〝おすそ分け〟
当社で管理している募集物件に申し込みが入った。募集を開始して早々であったし、申し込みをしてくれたお客様は当社で3度も部屋を借りてくれている。更に、ご紹介も出して頂いている男性客だったので、家主さんも(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 517 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 ある家主さんからの相談 腑に落ちない修繕で助言
家主さんから相談事で電話が掛かってきた。都内に住む娘さんの家の件だ。ある住宅メーカーで家を建てて12年が経った先日、壁から出ている蛇口の付け根から水漏れし始めたので、建てた住宅メーカーに電話したという(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 516 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 回りくどい依頼にうんざり 用件は簡潔に願いたい
私に何か依頼してくる際に、回りくどいメールを送ってくる人がいる。まず用件を書けばいいのに「言い訳」から入ったり、修飾語が多くて何が言いたいのかさっぱり分からない。一度に何通も届いたメールの最後まで読(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 515 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 一方的な立ち退き、交渉を買って出る 不動産屋冥利に尽きる言葉
最近、当社に来店した3人の老婦人から続けて同じ話を聞くことになった。3人は別々のアパートに住んでいて、いずれも建物の老朽化等による立ち退き要請の通知を管理会社から受けていた。たまたまだろうが同じ管理会(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 514 告げるべきか告げざるべきか 離婚後夫婦の〝間〟に立って
携帯が鳴ったので、見ると登録していない番号。電話に出ると、以前にこのブログでも書いた「離婚後も、地震を異常に怖がる元奥さんを思い遣っている高齢の男性」だった。携帯番号が変わったから、と知らせてくれた(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 513 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 音信不通は無責任 2組の客に振り回されて
平成から令和に時代が移るGW直前の出来事。一人は飛び込み客、もう一人はネット広告で問い合わせてきた客。どちらも40歳くらいの独身で、前者は男性、後者は女性だった。 カーシェア代負担 まず男性のほう(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 512 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 払い過ぎた仲介料の返却 低廉物件、買主側で一役
当社管理物件の入居女性が、隣県に住む弟さんの家の近く、距離にして100メートルの所で売りに出ていた土地を購入した。姉弟仲はすこぶる良く、ゆくゆくは有機野菜を育てている弟さんの側に住みたいと思っていたの(続く)