不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜 記事一覧
不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜
賃貸業を営む坂口有吉さんが業務に役立つヒントをちりばめながら日常の出来事を綴ります。
人情深い坂口さんは、不動産業者に対する世間の評価が不当に低いこと受け、「日々の努力も知ってほしい」と、そんな願いを込めています。
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紙上ブログ不動産屋の独り言611 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 条件交渉で最低限守るべきこと 「ただ聞いただけ」は困る
賃貸の入居者募集で、最近は借り手市場ということもあって、広告を出している通りの内容で申し込みが入るとは限らなくなった。「礼金ゼロにならないか」とか「家賃が6万5000円になっているけれど6万円にならないか(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言610 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 なんでも気にし過ぎの入居者 簡単に管理会社を頼られても
定休日である水曜日の午後、携帯に電話が入った。掛けてきたのは隣町のアパートに一人で住む生活保護の若い女性。「今、ドアの前に誰かいるんですけど、どうしたらいいですか? ドアスコープからのぞいたら中学生(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言609 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 名前も電話番号もないメール 「信用できない」から一転
アットホームから私のスマホに「エンドユーザーから問い合わせが届いております」とのメールがあった。それによると「引っ越し先を探しています。今の住まいは会社契約で、会社を解雇されたので出ていかなければな(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言608 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 心の病を抱える入居者からの電話 本人の希望通りにするべきか
今から15年ほど前の話。当時賃借していた物件が老朽化していて立ち退くことになった老姉妹が、私が書いた本を読んで「絶対に次の部屋探しはこの不動産屋に」と決めて連絡をくださり、そのご縁で現在、当社管理の部(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言607 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 ゴミ出しルールを守れない入居者 専門業者に頼むと言うが
GWの休みに入ってからすぐ、あるアパートの住人からメールがあった。「アパートの敷地にゴミが散らかっていてすごいことになっているのですが…」とのこと。写真も添付してあり、見ると、確かにひどい。「分別もし(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言606 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 信用できないのは客か営業マンか 審査の緩い保証会社問われ
当社管理の家賃2万5000円のアパートに同業者から問い合わせが入ったのだが、いきなり「審査の緩い保証会社を知りませんかねえ」と聞く。ということは、客付け業者が「客の属性が悪い」と思っている、と分かる。私(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言605 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 夜中の騒音対応 ときには突き放すことも必要
夜中に、ある入居者から電話があった。「上の音がうるさい。真夜中に話し声やドタンゴットン音がする。注意してもらいたい」とのこと。だが、夜中に電話をして間違いだったらこちらが恨まれる。いや、たぶん間違い(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言604 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 騒音クレームへの対応 認知症で退去、一抹の寂しさ
うちの店の近くに連棟式の平屋の貸家がある。間取りは1Kで、家賃も高くないから2部屋とも生活保護の高齢者(男性と女性)が一人暮らしをしている。男性は、入居したときは自転車で出掛けたりして元気だったが、10年(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言603 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 融通が利かなくて困った話 契約は客付け業者の役割?
ある大手不動産会社の管理物件にお客様を案内して申し込みが入った。物件は今風のデザインと造りで若者受けしそう。オートロックで水回りの設備も整っていて使いやすい1LDK。家賃もさほど高くはないから、そりゃあ(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言602 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 引っ越し時のあいさつ コロナ禍だからこそ必要
郊外の2DKのアパートに、他社の紹介で申し込みが入った。審査も通り、契約に来てもらうと、入居者は男性1人のはずだが彼女を連れてきた。「お1人で住まわれるのではなく同棲するのですか」と聞くと、「いえ、まだ(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言601 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 相場よりはるかに安い家賃2 値上げではなく立ち退き交渉に
投資の失敗も、お気の毒ではあるがご主人が亡くなったことも、家賃を免除したり値下げする理由にはならないもの。家賃は借主の事情で決まるものではないから、である。冷たいようだが12万円しか払えないというのな(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言600 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 相場よりはるかに安い家賃1 既得権ではないはず
多摩郊外の貸家に20年ほど住んでいる女性がいる。入居した当初はご主人と息子2人と4人で暮らしていて、家賃は30万円だった。住み込みで働くお手伝いさんの部屋まである豪邸で、家賃相場としては決して高くはない。(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言599 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 断るしかなかった借金の依頼 夢は自分で叶えるもの
お母さんは「また来ます」と言って帰っていったが、ここ3カ月、約束した月5万円の返済が滞っていて、そのことへのおわびなら電話でも済む。わざわざアポも取らずに訪問してくるのだから新たな借金の相談であると分(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言598 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 断るしかなかった借金の依頼1 追加を求められても
もう20年以上の付き合いになる外国人がいる。当時、日本人男性と結婚してレストランをやっていた。そこそこ繁盛はしていたが、駅に近い店舗でそれなりに賃料が高く、それがだんだんと経営を圧迫していった。更新直(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言597 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 保証会社の審査は通ったが断った客 期日過ぎても連絡なし
普段から仲良くしている同業者が、隣町の格安物件を案内してくれて申し込みが入った。隣町といってもかなり遠く、電車で行ったなら5駅、車で案内しても片道20分以上かかる。 申し込み時に担当者から「家賃の(続く) -
不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 596 客商売は奇縁の連続 学びを糧に進んでいく
40年来の付き合いになる家主がいる。もともとは、私が25歳頃に埼玉県で新築マンションを購入した数年後から付き合いが始まった地元の電気屋さんで、私はその客だった。 驚くほど良心的で、技術力も高い。おま(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 595 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 「留守中の住居侵入」を訴える客 神経質なのか、勘違いなのか
当社の風呂なし物件に6年間住んでいる男性から相談があった。「留守中に誰かが室内に入っていると思う」と言う。 男性は50代半ば。居酒屋で働いているから午後に出かけて夜遅くに帰ってくる。「出かけるとき(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 594 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 家主の〝予測〟続いても 先行き不透明な時代だから
多摩郊外の連棟式のテラスハウスが1部屋空いた。リフォームもすぐに終えて、広告を出したが、このご時世、半年以上空くことも私は覚悟していた。 募集を開始してすぐ家主から電話が入った。「このご時世だか(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 593 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 親しい同業者からの配慮 「家主がいい人だからこそ」
四半世紀も仲良く付き合っている同業のA社。そのA社の募集物件の201号室(ワンルーム)を案内することになった。 念のためA社に「Yハイムを紹介したいお客さんがいますが、こちらの物件は同業者の客付け不可で(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 592 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 コロナ禍で3人の老婦人から泣かれた 寂しさに寄り添うのも仕事
コロナ禍ということもあって、高齢者でなくても毎日不安の中で生活している人は多いと思う。管理会社の義務ではないが、高齢入居者の話を聞くことも仕事の一つだ。相談に乗ったり、お年寄りには分かりにくい手続き(続く)