不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜 記事一覧
不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜
賃貸業を営む坂口有吉さんが業務に役立つヒントをちりばめながら日常の出来事を綴ります。
人情深い坂口さんは、不動産業者に対する世間の評価が不当に低いこと受け、「日々の努力も知ってほしい」と、そんな願いを込めています。
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紙上ブログ 不動産屋の独り言 542 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 キーボックスが見つからない 不親切さが申し込みの妨げに
事情があって私の営業テリトリーの多摩地区ではない新宿区内の物件を案内することになった。お客さんは私の母校の新聞室の後輩で、今年都内の大学に進学することが決まっている。どこの大学に進むとしても、これま(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 541 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 若い男性客の〝ドタキャン〟 無頓着さが許しがたい
多摩郊外の古い貸家に、若い男性客から「中を見せてほしい」と不動産情報サイト経由で問い合わせが入った。私は、名前とメールアドレスだけの場合は返答しないことにしているが、その問い合わせには携帯番号が記入(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 540 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 更新料を払わない入居者 言い訳はいつも達者だが
多摩郊外の家賃16万円の貸家に住む入居者の話。半年前に更新通知を送っているが、「具合が悪くて入院した」や「決算でバタついていてなかなか更新契約でそちらに行く都合がつかない」と言い訳している。私も何度も(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 539 社会福祉協議会の温かさ 単身高齢者への心配り
当社の管理物件に高齢の男性が一人で暮らしている。半年ほど前に電話があり、「すい臓がんが見つかって手術することになった」とのこと。身寄りはおらず、何かあっても看取ってくれる人も孤独死した場合の片付けを(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言488 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 クレーマー復活か 水漏れ修理で連日の電話
以前、私の携帯に「上の部屋の人がこんな夜中に洗濯機を回している。おたくから注意して止めさせてほしい」と電話してきた女性がいた。私が「上の階の人はそんな非常識なことはしません。もし、こんな時間に電話し(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言538 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 訳ありの申し込みに思う 家主さんの〝共感〟に安堵
長く空いている部屋に同業者から申し込みが入った。申し込み者は生活保護を受けているが、そのこと自体は構わない。保証会社を利用してもらうことになり、免許証の表裏をコピーしてFAXしてもらったが、真っ黒にな(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言536 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 宅建士証更新の講習へ提案 普段の講習、見直しを
ある日、宅地建物取引士証の更新のための法定講習を受けてきた。年齢的に言っても、朝から夕方まで1日缶詰めになって講習を受けることになるのは苦痛以外の何物でもない。第一、5年に一度、その間に改正になった法(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 537 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 入居者の説明に違和感 家賃は後回しでいいのか
ある家主さんから電話があった。「実は101号室のOさんのご主人から電話があり、『今月仕事で入金予定だったお金がまだ振り込まれていないので、とりあえず4万円だけ先に振り込み、残りの5万円は少し待ってください(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 535 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 細かい入居者には細かく対処 目先の損得ばかり主張して
半年ほど前の話だ。当社で管理している募集物件が長く空室になっていて、ようやく申し込みが入ってきたが、自宅の建て替えの間の短期借り。家主さんは長期契約のお客さんを希望していたが、「このご時勢、空けたま(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 534 上京女子大生の母とのメール サバけた性格に娘も安心
当社のお客様で数年前の春に部屋探しを担当した女子大生(Aさん)がいる。いわゆるお嬢様大学に進学したのだが、当人は気取ったところもなく、感じのいい素朴な娘さんだ。Aさんとは不思議なご縁があった。Aさんのお(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 533 ハートのない家主にへきえき 限度を超え、管理を降りた
近所で管理を任されていた貸家が空くことになった。本音で言えば、その貸家の管理はしたくない。ある家主Aさんの紹介で仕方なく引き受けているが、その家主B氏の性格に問題があるためだ。もともとそこは貸家が2軒(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 532 死期を迎えたお客様 利他の気持ちで役立ちたい
以前、『国分寺市の社会福祉協議会の温かさ』として書いた入居者の男性Fさんのその後。市の包括支援センターのYさんから電話があり、「現在入院中ですが、あと1週間ほどでお亡くなりになるかもしれません」とのこ(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 530 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 手数料を出すか、出さないか 似た状況で分かれる対応
似たような状況で、「手数料を支払います」と言う業者と、「出せません」と言う業者がいた。前者は町場の小さな不動産会社、後者は大手の不動産会社だ。しかも、手数料を支払う、支払わない、というだけの差ではな(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 529 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 管理会社としての〝いい働き〟(2) 義理堅さが成果を生む
家主や他の入居者の説得よりも大問題。それは、なんとご主人がペットアレルギーなのだ。私が意地悪く「もしワンちゃんを取るかご主人を取るか、という決断を迫られたら、今の奥様はワンちゃんを取るでしょうね」と(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 528 管理会社としての〝いい働き〟(1) 『ペット不可』で飼育希望
当社の管理物件(全6世帯)に入居する若い夫婦の奥様から電話があった。「うちのアパートは『ペット不可』なのは承知しています。ただ、昨日、ショッピングモールでペットショップをのぞいたとき、ピンとくるワンち(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 527 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 当社史上最悪の家賃滞納者(3) 裁判後の心配は無用か
A氏の連帯保証人にも電話したが、連絡が付かない。以前はつながった番号だ。何かの事情で番号を変えたのだろう。入居者のA氏本人は知っていると思うが、聞いても教えないだろう。奥さんは良家の子女だったそうで、(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 526 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 当社史上最悪の家賃滞納者(2) 「信用せよ」と言われても
A夫婦の夫は90歳。昔は空手道場を経営していて、自身も有段者。著名な格闘家とも交流がある。背筋も伸びているし、見た目は紳士然としているから、その年齢でも不動産の営業は務まるのだろう。むしろ高額物件を扱(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 525 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 当社史上最悪の家賃滞納者(1) 同情が判断ミスを招いて
ただ〝最悪の入居者〟というだけなら、何人か該当する人がいる。もちろん、今までにも家賃を半年以上滞納している入居者なら常にいた。今もそういう滞納者が4人いる。しかし、当社にとって、そして家主さんにとっ(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 524 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 人柄のいい人は得をする 更新契約で賃料値下げ
更新契約で来店した女性の話。そのアパートは201号室が1年以上空いていて、その女性が住むのは203号室。共に角部屋だが、203号室が一番いい部屋。窓を開けたときの開放感と、公園が見える景色はこの部屋だけだ。と(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言 523 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 人権研修に物申す(3) 誰が責任を取るのか
八王子での研修の講師は東京都整備局の課長だった。言わずと知れた「我々に業務停止や免許取り消しの処分を下す権限」を持っている役所である。だから恐れをなして、というのではなく、反論するのも馬鹿らしく思え(続く)