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シリーズ・SDGs実現に挑む 売却マッチングサービスのイクラ 女性、若者に寛容な職場づくり

 15年9月創立。売却マッチングプラットフォーム「イクラ不動産」を運営するイクラ(大阪府、坂根大介代表取締役CEO)は、LINEを使った顧客相談と完全成約型収益モデルが特徴。売却意欲を高めた売主を不動産会社に送客し、売却成約時に初めて不動産会社から手数料を得るというスキームを取る。

 同社では、売主や不動産会社に対する柔軟な対応に加え、社員育成の観点から寛容な雇用環境を整備する。具体的には20名の社員の半数以上を女性が占めるほか、中途採用者も多く、アパレルやエンジニアなど経験職種も様々。定時帰宅を実現すると共に、待遇改善も速く、営業未経験者から1年間で営業部長に抜てきした例もあるという。

 同社で社員のコミュニケーション力を高めるのが、今年1月入社の木村圭志COOだ。売り上げに関する全部門を統括。主力の「イクラ不動産」では日報の公開などユニークな戦略を駆使し、1年間で加盟不動産会社を6倍以上の1600店舗に伸ばした。

 自動車や建築、不動産など様々な業界で営業力を発揮してきたが、「稼ぐことではない何かに気付いたのが坂根代表との出会い」と振り返る。今では代表よりも多く社員と話せる立場を生かし、「社員が何を目指しているか常に見極め、会社を利用した成長機会を提供していくことが、社員にも会社にとっても成長の投資になる」と述べる。