知って得する建物の豆知識 記事一覧
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知って得する建物の豆知識 177 パティオとポルチコ リッチな空間演出 雨、日差しも防ぐ優れもの
バブル後期にパティオ(Patio)という言葉をはやらせたテレビドラマがありましたが、パティオとはスペイン語に由来する「中庭」の意味です。本家スペインではタイル貼りの床で、天井がなく、噴水や植栽などが配置さ(続く) -
知って得する建物の豆知識 176 暖炉 カーボンバランスに優れ 憧れあるも使用率は?
長年、住宅設計を手がけてきた感触からすると、一定レベル以上の予算がある場合に提案して採用されることの多い設備のトップは暖炉です。コスト重視の設計でもワンポイントの贅沢として取り入れられることもありま(続く) -
知って得する建物の豆知識 175 スランプ試験 沈下量で強度を推定 これまで以上に性能重視
住宅に使われるコンクリートは構造体全てを鉄筋コンクリートで造るRC造以外では、基礎と土間です。土間とは構造を負担しない床面のことで主に玄関周りや床下、水回りに使われます。基礎コンクリートについては耐震(続く) -
知って得する建物の豆知識 174 支持地盤 ボーリング調査で杭サイズ決定 横浜傾きマンション 真実解明を
横浜のマンション不同沈下事件で、全国のマンションに疑惑の目が向けられかねない状況です。これから色々出てきそうですが、横浜の件では最後に打設した8本の杭寸法が不足しており、支持地盤に到達していないこと(続く) -
知って得する建物の豆知識 173 指図 木割りの知識不可欠 確実なのは建築模型
人にあれこれ命令することを「指図(さしず)する」と言いますが、本来の意味は建築の設計図を表す古い言葉です。日本の建築は民家や農家は別として、寺社建築、貴族の住まいなど、ほとんどは中国や百済から伝来した(続く) -
知って得する建物の豆知識 172 オーレスンリンク 欧州へと向かう橋 人気海外ドラマの舞台にも
最近はネット動画の配信サービスが増えてきました。HULUやNETFLEX、dTV、Amazonビデオ、U-NEXTなど月額500~900円程度で海外ドラマなど豊富なコンテンツを楽しめます。 海外TVドラマの分野で「24」や「Breaking(続く) -
知って得する建物の豆知識 171 斗ぎょうと蟇股 美しい構造体 寺社鑑賞の楽しみに
お寺に出かけて建物を見ると、軒先に複雑な構造体があるのに気づかれると思います。これは屋根や軒など、上からの荷重を縦横に組み合わせた部材によって受ける部分で「斗(と)ぎょう」と言います。横材を受ける面取(続く) -
知って得する建物の豆知識 170 アイランドキッチン 将来は隠せるものも? 簡単調理の家庭増え
最近の設計案件ではアイランドキッチンが当たり前です。施主の奥様にメリットやデメリットを説明してもアイランドキッチンありきで、聞く耳を持っていません。 戦後のキッチンの歴史を見ると、まず文化住宅と呼(続く) -
知って得する建物の豆知識 169 石膏ボード 様々なタイプで暮しを演出 有害性指摘も日本製は安心
建材における「米のメシ」ともいえるのがPB、すなわち石膏ボード(プラスターボード)です。内装下地材ですので、完成した物件で目にすることはありませんが、床・壁・天井のあらゆる部位に使われています。石膏ボー(続く) -
知って得する建物の豆知識 168 ゼネコンの歴史 江戸初期には請負誕生 警察管轄の時代も
一般にゼネコンとはGeneral Contractor(ゼネラル・コントラクター)の略とされています。Contractorは「請負者」なのでGeneral Contractorは「総合請負業者」を意味し、日本では「総合建築業」を指します。下請け(続く) -
知って得する建物の豆知識 167 透湿防水シート 通気層の組み合わせが肝
戦後の住宅外壁の流れを概観すると、当初は構造材の上に板やトタン(波板鉄板)を直張りした外壁が主流を占め、断熱や防水という概念は全くありませんでした。その後、モルタル塗りが登場して主流を占めますが、最初(続く) -
知って得する建物の豆知識 166 割栗石 基礎底面を強くする 力を逃がす隠れた役者
欠陥住宅に結びつく不同沈下を防ぎ、地震に強い構造体を得るには、基礎底面の強度が重要な要素の一つです。建物本体は荷重が均一に分布しているわけではなく、水回りや収納周りは重量が大きく、リビングや居室エリ(続く) -
知って得する建物の豆知識 165 最小限住宅 都市インフラに依存しない新しい可能性
終戦後、深刻な住宅不足を補うために「最小限住宅」という考え方が多くの建築家から提案されました。とにかく戸数を造って不足を補うのが目的で、池辺陽は片流れ屋根の「立体最小限住宅」(1950)を、増沢洵は最小限(続く) -
知って得する建物の豆知識 164 「天空率とは」
建築物を建てるには多くの法的な規制をクリアする必要があります。しかし、設計企画の最初に関わってくるのは、その敷地にどのくらいの大きさの建築物が建てられるかという試算に関わる法律です。貸しビルであれば(続く) -
知って得する建物の豆知識 163 日本の建築設計事務所 タイプ見極め家づくり 美術でなく〝工学系〟に分類
建築家と聞くとアーティスト気質を連想しがちですが、日本の大学制度で建築は工学系に分類されており、アート的なデッサンやデザインの素養は求められません。理数系に強い人が建築学科を卒業します。明治時代の、(続く) -
知って得する建物の豆知識 162 新築のオプション 重宝する7つを紹介 後悔する前に検討を
最近、家づくり系のウェブサイトでちょっと面白い記事を目にしました。「後悔しないオプション」というものです。 雨戸本来の役割に着目 まずは「2階の雨戸」です。コストダウンを考えると、1階だけ雨戸を設置す(続く) -
知って得する建物の豆知識 161 根強い人気3アイテム 設置場所、条件に注意 天窓、らせん階段、ガラスブロック
設計では、様々な施主の要求を組み込んで一戸の住宅を完成させます。施主の要求は雑誌や住宅展示場で見て気に入ったり、テレビの住宅番組に影響されたりしたモノが少なくありません。少し前までその筆頭はアイラン(続く) -
知って得する建物の豆知識 160 注目集める「V2H」 車から住宅へ送電 スマートハウスの必須アイテムに
ここ数年、多くの新築住宅の屋根に太陽光発電パネルが取り付けられているように見えます。 13年度のデータによると、新築戸建て住宅の約20%が太陽光発電システムを設置しています。3.11直後の計画停電がトラウマ(続く) -
知って得する建物の豆知識 159 〝エイジング仕上げ〟 あえて汚して高価値に 専門業者の技術に感嘆
最近、ある建材展に行ったのですが、そこで目に付いたのはビンテージ仕上げのドアや床材でした。ビンテージ仕上げとは、色を古色にしたり使い込んで摩耗させたり、塗装が剥げかかったイメージに仕上げたりしたもの(続く) -
知って得する建物の豆知識 158 遊郭建築「揚屋」 豪華で艶めいた空間 現存する遺構に一見の価値
「揚屋(あげや)」とは、江戸時代における遊郭建築の一つです。代表的な建物に、京都島原の「角屋(すみや)」があります。謹厳で伝統的な茶室や寺社建築が一方の日本建築とすれば、豪華で艶めいた空間が特徴の揚屋は(続く)