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大言小語 人はカネに寄りつく

 話題を欠くことのない一年となりそうだ。1月20日に米国の大統領に再び就任する。前回のトランプ政権に翻弄された苦い経験がよみがえるとともに、再び不確実性の高い先が読みづらい経済環境が待つ。国内に目配せすれば利上げと今年7月に参議院選がある。

 ▼「日本国際博覧会(大阪・関西万博)」が4月に開催されるが、チケット販売状況は伸びていない。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のチケットとの抱き合わせ販売の話が出るほどだ。最近の日本で行うビッグイベントはさえない。「2020年東京五輪・パラリンピック」は、会場の設計やロゴマークを決める過程で右往左往し、仕切り直したと思ったら新型コロナで延期となり、批判があった中で開催した挙句に五輪招致に伴う贈収賄で逮捕者も出した。五輪には既得権益にまとわりつくやらしい人間の存在を改めて浮き彫りとした。

 ▼人はカネに寄り付く習性がある。政治家がパーティー券で集めたお金を所属する派閥にキックバックする問題で少数与党に転落した自民党。ただ、企業も政治家を取り込んで「オイシイオモイ」をしようと献金する。政治家ばかり責められず企業も根は同じはないか。

 ▼かつて「お金儲けして何か悪いんですか?」と言い放ったアクティビストがいた。もっともだ。何も悪くはない。しかし、違法な儲けは論外だが、そのカネ儲けに信義があるのかが問われている。