国土交通省は9月16日、25年都道府県地価調査(25年7月1日時点の基準地価)を公表した。全国平均としては、全用途平均が1.5%上昇(前年比プラス0.1ポイント)、住宅地が1.0%上昇(同プラス0.1ポイント)、商業地が2.8%上昇(同プラス0.4ポイント)で、いずれも4年連続の上昇となった。地価の上昇傾向が続いている一方、全国平均で見た場合、上昇率の増加幅は縮小傾向にある。半面、地方圏については、緩やかな回復傾向が波及している様子が見られた。
エリア別で見ると、前年に引き続き、三大都市圏や「地方4市」(札幌・仙台・広島・福岡)の地価上昇率が比較的高く、全国平均をけん引する構図に変わりはない。ただし、三大都市圏の全用途平均は4.3%上昇(前年比プラス0.4ポイント)で、全国平均と同様に上昇率の増加幅が縮小。「地方4市」では、全用途平均が5.3%上昇(前年比マイナス1.5ポイント)となり、上昇率自体が前年の数字を下回った。
他方、三大都市圏を除く「地方圏」における地価の回復傾向は広がっており、特に「地方圏」のうち、「地方4市」を除く「その他の地域」の住宅地は、前年の0.1%下落から今回「増減なし(プラスマイナス0.0%)」へと転じ、1995年以来30年ぶりにマイナスを脱した。また、「地方圏その他」の全用途平均及び商業地については、いずれも上昇幅は全国平均と同様に縮小したものの、地価の回復基調は続いている。
なお、全国の最高価格地点は、20年連続となる東京都中央区銀座2丁目の商業地「東京都中央5-13」(明治屋銀座ビル)で、1平方メートル当たり4690万円(前年比11.4%上昇)。上昇幅は前年よりも拡大しており、インバウンド観光客の増加や店舗・宿泊施設需要等を背景に、都心の主要な商業地等については、前年まで以上に不動産需要が高まっている模様だ。
(詳報は9月23日号に掲載)